テレワークグッズ・ミニレビュー
第120回
リモートでPCの電源ボタンやリセットボタンを操作したい!! リレーとスマートプラグで仕組みを作ってみた
2025年2月7日 12:12
直接テレワークには関係ないかもしれないが、ネットワークを駆使していると遠隔で自宅のNASやさまざまな機器にアクセスすることもあり、その結果、外部からトラブルシューティングをする必要に迫られることもある。
この連載でも、過去に編集部スタッフがリモートでPCの電源を入れたことなどを紹介している。そこで今回、遠隔でPCを再起動をする方法や、PCの電源を入れる方法を筆者なりの方法でやってみているので、紹介したい。
ただし、最初に書いておくが、今回の作業には、PCの自作や電子工作の知識が必要になる。配線ミスでショートさせれば火災につながることもあるし、遠隔で物を動かすことには、離れた場所で発生したトラブルにすぐ駆けつけられないリスクもある。事故や法令違反のないよう十分注意することは忘れないでほしい。
デスクトップPCの電源やリセットを操作、スマートプラグとリレー基板を活用
さて今回やりたいのは、スマートプラグのオン・オフでデスクトップPCのスイッチを直接制御してやろうというものだ。
今回制御するのはPCの電源ボタンとリセットボタンで、スマートプラグでUSB充電器をオンにして、USBコードから汎用のリレー基板のリレーをオン・オフし、そこからマザーボードの電源ボタンやリセットボタンのコネクターに直接接続する。
PCの電源やリセットボタンの場合は、オンにしたままだとダメで、オンとオフをスマホの画面で素早く操作しなければならないが、言い換えれば短押しと長押しの両方を自分の操作次第で自由にできるとも言える。
複雑だが、ボタンを物理的に押してくれる装置よりも確実で、場合によっては安価に構築できる。
組み合わせ方だが、1セットあたり、スマートプラグ、USB電源アダプター、USBケーブル、汎用リレー基板、PC向けのケーブルと少々の電線が必要になる。
汎用リレー基板はAmazonなどで1回路のものが3個で700円ほどから入手できる。USBケーブルやUSB電源アダプターは家に余っているものを使えばいい。USBケーブルは電源を取るだけで切断してしまうので、高級なものを用意する必要はまったくない。買うものは汎用リレー基板くらいであとはどこの家にもありそうなものばかりだ。
組み合わせ方の注意としては、USBケーブルは電源供給専用のものを使うと簡単だが、通常のデータ伝送ができるものの場合、4本ある電線のうちから電源線を区別する必要がある。USB Type-Aポートなら4つ並んだ端子のうちの両外側が電源なので、テスターで極性をよく確認してから使うことが必要だ。
USBケーブルの電源のプラスとマイナスを、汎用のリレー基板の[DC-][DC+]に接続、さらに[IN]にも電源のプラスを接続する。
そして、リレー側の[COM]と[NO]をPCのマザーボードの電源スイッチの端子に接続する。ここは極性はないのでどちらをどちらにつないでも問題はない。
こうすることでスマートプラグに電源が入ればリレーが動作し、接続しているところのボタンを押した場合と同じ動作をする。
注意することは、PCの電源ボタンは長押しをすると強制電源オフという機種が多いため、スマートプラグで遠隔オンした場合は、すぐ遠隔オフの操作をしないと電源が落ちてしまい起動に失敗する。面倒だが、操作の際は注意してほしい。
スマートリレースイッチの発売が待たれる
実はこんな面倒な組み合わせをしなくても、世界にはスマートプラグなどのリレーの端子を直接引き出して、何かを制御するようなモジュールが売られている。
例えばスイッチボットシリーズでは、少し前に米国で発売になって話題になった「SwitchBot Relay Switch」がある。
同様の動作をするスマートリレースイッチはほかのスマートホームアプリ用にも用意されている。なかには押しボタンスイッチ用に0.5秒だけオンしてすぐオフにする設定があるものある。いずれも日本では正規販売されている様子がないのが残念だ。
スマートプラグをオンしたままでボタンをひと押ししたようにリレーの接点を一瞬閉じさせることは、少し電子回路の心得があればコンデンサーや抵抗で実現することは難しくない。ここまでくるとグッズ紹介でないのだが、汎用リレー基板の代わりの基板を作って使っているので、写真と参考回路を載せておく。
ほかにもネットでよく活用事例が見られる「オートメーションリレー」と呼ばれるモジュールを組み合わせて、任意の時間だけオンするようなことも可能だ。今は便利な汎用基板がたくさんある。それらの組み合わせでさまざまな動作をさせることができそうだ。
INTERNET Watch編集部員やライター陣が、実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズをリレー形式で紹介していく「テレワークグッズ・ミニレビュー」。もし今テレワークに困りごとを抱えているなら、解決するグッズが見つかるかも!? バックナンバーもぜひお楽しみください。