テレワークグッズ・ミニレビュー

第119回

完全版!? 実家のWi-Fiルーターをリモートで再起動する方法

モバイルWi-Fiルーターと低速回線を組み合わせて、スマートプラグを遠隔操作し、さらに応用も考えた

 昨年末に編集部スタッフが執筆した「年末帰省時に試したい!! 実家のWi-Fiルーターをリモートで再起動できるようにする方法」は、結構反響が大きかったそうだ。地味ではあるが、リモートでWi-Fiルーターを再起動したいというニーズは結構あるのかもしれない。

 ただ、筆者はあの記事を読んで思ってしまった。そんなのサブ回線用意すればすべて問題解決じゃないかと。

 と言うわけで本稿では、Wi-Fiルーターを遠隔から再起動する方法を筆者なりのやり方でやってみているので、紹介したい。

別回線を用意すればWi-Fiルーターのオン・オフもカンタン!!

 リモートでWi-Fiルーターを再起動する方法として、真っ先に思いつくのがスマートプラグを使う方法だろう。

 しかし先の記事でも書かれているとおり、Wi-Fiルーターがオフになると、スマートプラグを制御するための回線が切れてしまうことになり、電源をオフすることはできたとしても、ふたたびオンすることは不可能になる。

 先の記事では、タイマー設定で時限的に電源オンをさせる方法を紹介していたが、そもそもWi-Fiルーターが完全に動かない状態であれば、タイマーの設定さえできなくなる。そこで提案したいのが、もっとシンプルで確実な手段として、もう1回線用意してしまう方法だ。

 もう1回線用意するというとスゴいことのように聞こえるかもしれないが、たとえば、モバイルWi-Fiルーターや余っているスマホのテザリングを使ってスマートプラグを動作させることはできる。そして、スマートプラグのオン・オフ程度なら高速な回線は不要だ。世の中には低速なためサブ回線として使うには向かないが、用途を絞れば低料金で維持しやすいという回線があり、まさに今回のような用途にピッタリだ。

 安価な低速回線として例を挙げると、簡単に入手できるものであれば最安はKDDIのpovo 2.0がある。月額基本料は無料で、必要なときだけ「トッピング」として高速回線利用を購入する回線で、トッピングなしでも最大128kbpsで通信できることから、ほぼ無料で使えるIoT回線と言えよう。

 「ほぼ」と書いたのは、180日に1回以上の課金をしないと契約解除されることがあるためだ。そのため半年に1回程度は300円程度からある何かしらの課金をすればいい。と言っても課金と同額のお買物券がセットになったトッピングもあるので、活用次第で実質無料で使うことができる非常に便利な回線だ。

今開催中の期間限定トッピングなら、500円分の課金でローソンお買い物券500円分がセットになるので実質無料だ

 そのpovoの回線でスマートプラグを使えば、メインのWi-Fiルーターの電源オン・オフをすることが可能になる。

 再起動だけでなく、しばらくオフにしておくこともできるため、例えば外出先で、自分の家の回線に不正アクセスがあることが分かった場合など、なにかしらの理由で緊急に止めたい場合でもすぐ対応できる。

モバイルWi-FiルーターのWi-Fiにスマートプラグを接続

 それを実現する組み合わせとしては以下の写真のとおりだ。povo対応のモバイルWi-Fiルーターなどを使い、電源は入れっぱなし、その回線に接続するようスマートプラグを設定する。

富士ソフト FS030Wとスマートプラグ。これだけで遠隔でWi-Fiルーターのオン・オフができる。バッテリーを外したFS030Wは、充電ポートに電源が供給されるとオン、電源が止まるとオフという動作をするので、ホームWi-Fiルーター風の動作をする

 モバイルWi-Fiルーターは手持ちで余っていた富士ソフトのFS030Wを使ったが、回線に対応していて連続利用ができるならなんでもいい。余ったスマホをテザリングオンで電源アダプターにつなぎっぱなしにするのでもいいだろう。

 ただし、スマホは電源をつなぎっぱなしで使えることが必要。なかには電源をつなぎっぱなしだとうまく動作しないものもある。スマートプラグに必要な通信量は少ないので、スリープ設定などをしておくと動作が止まってしまうこともある。またあまり高温になるならやはり避けた方がいいだろうし、常時電源接続を前提としたモバイルルーターなど以外では、そういった点は注意しておきたい。

スマホのテザリングでも同様のことができる。余っている機種があればそれを使うことも可能だ

 ほかには以前紹介した中古ホームWi-Fiルーターの活用もありだろう。以前の記事のようにバックアップ回線を構築するような環境では、バックアップ回線用のホームWi-Fiルーターにスマートプラグを接続しておけば、アプリ画面でスマートプラグの動作状態を確認することで、バックアップ回線が正常かどうかを判断できる、というメリットもある。

 ちなみにスマートプラグ用の回線はpovo 2.0のほかにドコモのirumo(月額550円で0.5GB、速度が3Mbps制限)や、日本通信SIMの合理的シンプル290プラン(月額290円で1GB)などもある。使い方やエリアなどに応じて適切なものを選んでおきたい。

スマホアプリから、オン・オフが簡単にできる

工夫次第で、さらに応用も可能に

 povo 2.0のような格安回線とモバイルWi-Fiルーターを使えば、さらに応用として、Wi-Fiルーターをお互いのネットワークにつないだスマートプラグでオン・オフすれば、メインの回線のトラブルだけでなく、サブ回線のトラブルにも対応できる可能性がある。

 トッピングなしのpovo 2.0は非常に遅い回線ではあるが、IoT機器の利用には問題ないことも多い。スマートプラグも複数あっても問題なく動作する。ほかにも便利な利用法が見つかるかもしれないので、考えてみてほしい。

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