テレワークグッズ・ミニレビュー

第131回

わずか2週間で売り切れた話題のマウスが再入荷! サンワサプライの小さすぎるマウスはモバイルワークに使えるのか?

発売からわずか2週間で売り切れた超小型マウス「400-MAWB216GM」は本当に小さい!

 今年3月に発売されたサンワサプライの超コンパクトな薄型モバイルマウスを覚えているだろうか? 本誌でもニュース記事がとても注目を集めたが、実際にとても売れたようで、発売から2週間ほどで早々に在庫切れ。筆者はいち早く購入したので入手できたものの、レビューを掲載しようと思ったタイミングではすでにどこでも在庫切れで、原稿もお蔵入りになっていた。

 そんな話題のマウス、サンワサプライの「400-MAWB216GM」が2カ月越しで再入荷したようで、Amazonなどでも販売が再開された。というわけで改めてレビューを掲載したい。記事を読んで気になった方は、また売り切れてしまう前に確保していただきたい。

極小マウスを使うという選択肢

 フリーライターという仕事柄もあって、テレワークというと、外出先でやることも多い。外出先でのポインティングデバイスとしては、マウスもトラックボールもいろいろと試しているが、万能なものはなく、結局のところTPOに合わせてその都度選択している。

 例えば荷物を少なくすることが優先なら、最初から持っていかないし、書くよりもウェブサイトで調べる作業が多いならマウスがいい、机が狭いなど、限られたスペースで作業しなければならないときはトラックボールがいいという具合だ。

 そんなことを考えるのは面倒と思うかもしれないが、外で作業する以上はパフォーマンスは上げておきたい。だからこそ、装備はそのときに応じた適切なものを選んでおきたいのだ。

超小型 マウス「400-MAWB216GM」の本体カラーは2色。こちらはガンメタリックだがブラック「400-MAWB216BK」もある

 そんな感じでいくつもそろっている筆者の所有マウスに、新たに仲間入りしたのが超コンパクトなマウス、サンワサプライの「400-MAWB216GM」だ。

充電はUSB Type-Cから。スマートフォン風の外見だが、左側のスマートフォンよりはるかに小さい

本当に小さい、が、小さいなりの使い方に注意

 サイズはスペックを見て想像はしていたが、実際に届いてみた実物を見たとき、思わず「ちっさー」と声が出てしまった。箱自体もとても小さいが、箱をあけてみても本当に小さい。分かっているつもりでも現物を見るとその小ささに驚かされる。

 箱を開けると入っているものは、本体、USBレシーバー、シリコンカバー、充電用のUSB Type-Cケーブルの4点のみで、紙の説明書などは入っていなかった。

入ってるのはこの4点。紙の説明書はなし

 このマウスには特に設定アプリなどは用意されていないので、USBレシーバーをPCに挿して使うだけ。Bluetoothでもペアリングすればすぐ使える。充電式なので充電する必要もあるが、届いた時点ではバッテリーはある程度充電済みで、箱から出してすぐに使うことができた。

 小ささゆえの独特な使い方とすれば、本体のみ(シリコンカバーをつけず)で使うときは、マウスを支える親指と薬指と、左右のボタンを押す人差し指と中指が近くなるため、筆者の場合は親指の付け根のあたりがつってしまい、痛くなることがあった。これは慣れが必要だと思う。

マウスを持つところとボタンを押すところが横にほぼ一列になるため、手がつりやすい

 ほかには、この機種特有の使い方として、今どきのマウスなら付いていて当然のホイールがないため、スクロール操作をしたいときは、ホイールを回すのではなく、中央の「M」と印のあるマジックホイール(スクロール)ボタンを押しながらマウスを前後に動かす、という操作が必要になる。

 これは購入時の説明にあったので知ってはいたが、やはりホイールを操作するのとは使い勝手が違って、ボタンを押してマウスを前後させてもスクロール量が大きすぎて、行き過ぎてしまうことが多々あった。

「M」ボタン、その上の穴2つはLEDで、状態確認に使う

 設定アプリもないので、OSのスクロールの設定などを変更してみたものの、思ったようにはいかなかった。スクロールが意のままに動かないのならマウスを使う意味が半減してしまうので、どうするか試行錯誤していたところ、箱にマニュアル類がなかったことを思い出した。

 よく見るとマニュアルはオンラインのみでの提供のようで、外箱のラベルにQRコードがついていた(サンワダイレクト販売ページにリンクのある説明書ダウンロードページからも見られる)。そこを見ると、スクロールの使い方がマジックホイールボタンの説明のところに書いてあったのだ。説明書はよく読もう。

外箱のラベルに説明書を見るためのQRコードがある。説明書の一読するのを忘れないでほしい

スクロールは直前のマウス移動が記憶され、Mボタン押しで小移動

 というのも、スクロールは「M」ボタンを押しながらマウスを前後に動かすだけでないのだ。

 直前にマウスを動かした方向が記憶されていて、マウスを動かさずに「M」ボタンを押すと、押したときだけ少しずつスクロールする、という仕組みがあった。

スクロールのやり方は説明書にMボタンの説明として書いてある
Mボタンの説明のアップ

 つまり、直前にマウスを前方向に少しでも動かしておき、そのままMボタンをクリックすると少しスクロール。押し続けると連続スクロールとなる。少し移動したいならMボタンをちょんちょんと1回ずつ押していけば、通常のマウスのホイールをゆっくり回したことと同じようなことができる。

 この方法でやってみると、スクロールし過ぎるという問題は解決した。Webサイトのスクロールではそれほど問題にはならなかったものの、アプリによってはスクロール量が大きすぎて使いにくかった問題がこれで解決した。

 この方法を知ってすぐやってみたところ10分も使っていれば慣れてきて、意のままにスクロールできるようになった。

 説明書によると、左ボタン、右ボタン、Mボタンの3つを同時に3秒間長押しをするとスクロールスピードが変化するとある。実際に長押ししてみるとマウス本体の緑色LEDが点滅して、その点滅回数によってスクロールの速さが変化しているのは分かった。ただ、筆者にとってはどれも速めな印象で、緑LEDが1度点滅の一番緩い速度に合わせている。

 また、一般的なホイール付きのマウスの場合、ホイールを押し込むホイールクリック機能があるが、このマウスの場合は中央のMボタンではなく、左右ボタンの同時押しでその操作となる。

シリコンカバーは必須、そのうえでけっこう使える

 スクロールの紹介で長く書いてしまったが、それ以外はいたってふつうのマウスだ。小さいながらふつうに使える。本体だけで使っていると指がつりそうなると書いたが、付属のシリコンカバーを装着すればそれも解消した。

付属のシリコンカバーを装着
シリコンカバーにはUSBレシーバーを収納するスペースがある

 シリコンカバーを使うことで、マウスを指で支えるところが後方になり、不自然に指に力を入れることがなくなったからだ。

 シリコンカバーを装着していれば、USBレシーバーもカバーに収納できる。Bluetoothで接続できるのでモバイルにおいてUSBレシーバーを使うケースは少ないとは思うが、Bluetoothが嫌いな人でもこれなら使い勝手も悪くないだろう。

 接続はこの付属のレシーバーと、Bluetoothが2つで合計3台のマルチペアリングに対応する。その接続切り換えは本体裏面にある物理スイッチで行える。長押しや同時押しといった特殊な操作は不要だし、設定もひと目で分かって、これはうれしい。

左上の電源スイッチと、右上の接続切替スイッチは物理スイッチで、このまま見れば状態がすぐ分かり、とてもありがたい仕様

 残念なのは、シリコンカバーは着脱の都合上、外れやすくなっていること。できることならカバーはがっちりと本体に固定され、ついでに紛失防止にストラップ穴でも空けておいてくれればよかった。本体は小さすぎるので紛失してしまいそうだ。

予想以上にふつうに使えるマウス

 これまで小さいマウスというと、なにかと犠牲になるものがあったが、今回のこれは予想以上にふつうに使えてしまうマウスだった。ほぼ1日、このマウスをデスクトップPCにつないで使ってみたが、すぐに慣れ、ふつうに使うことができた。前述のスクロールに多少手間がかかる程度で、そこを除けば使い勝手に問題はないと言える。

 強いて粗を探すとすれば、マウスの左右ボタンのパーツが前端部まであるデザインなので、狭い場所でマウスを使っていると、何かに当たってボタンが押されてしまことがあった。コンパクトなマウスで狭い場所で使うことが多いと思うと、ちょっと残念なポイントだ。

 逆に言えばそれぐらい粗探ししなければ、使い勝手は本当に普通で、出張などで少しでも荷物を減らしたいときや、いざという時のために常にカバンの中に入れておくなど、ニーズが合えば十分に使えるマウスになりそうだ。

8.7型タブレットと使ってみた。スタンドに立ててタブレットを使っていると、タッチでタブレットを倒してしまうことがあるが、マウスがあればそんな問題も解決する

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