いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説

メモを付箋紙のようにぺたぺた貼れて通知もできる「Google Keep」

サービス名Google Keep
リリース日2013年3月20日
運営会社名Google Inc.
料金無料
URLhttps://keep.google.com/
登録Googleアカウントが必要
Google Keep(Chromeアプリ版)

Googleのオンラインメモ作成サービス

 「Google Keep」は、2013年3月20日にリリースされた、Googleによる無料オンラインメモ作成サービスです。作成したメモはGoogleドライブと同期するため、同じGoogleアカウントでログインしている端末ならどこからでもアクセスできます。2015年9月にはiOS版も登場し、利用できる環境が、Android(アプリ、ウィジェット)、 iOS、Android Wear、ウェブページ、Chromeアプリ(http://g.co/keepinchrome)と広がりました。

 「Google Keep」で作成できるメモは、テキスト、音声、リスト、画像のほか、Android版のアプリでは手描きでの図形描画も可能です。オンラインなら音声入力では即テキストにも変換され、音声とテキストの両方で保存することができます。

iPhone版の画面
iPhone版のテキスト入力画面
Android版の画面
Android版のウィジェットとアイコン
ウィジェットの[+]をタップするとメモの追加メニューが現れます
Android版は図形描画もできるので、とっさのメモも簡単です

通知機能をもったデジタル付箋紙

 作成したメモには背景に色をつけられ、ドラッグ&ドロップで好きな位置に移動できます。あたかもそれは付箋紙のようです。リスト表示にも切り替えられますが、この色のついたデジタル付箋のようなメモが、Google Keepの大きな特長と言えそうです。

メモには色をつけられます

 メールアドレスを使った共有機能も用意されており、複数で編集することもできます。コピーやアーカイブも可能。自由に作成した任意のラベルをつけて分類することもできます。ラベルとはタグのような役割を果たします。サービスのメニューからラベルを選択することでメモを絞り込めるので、仕事とプライベートといった大きな分類から、内容に合わせたものまで、細かく設定できます。

メニューからラベルを選べます
選んだラベルがついているメモだけに絞り込めます

 時間や位置情報を元にしたリマインダー機能も備わっており、指定した時間や場所で通知をうけるといったことも可能になっています。忘れずに買っておきたいものがいくつもあるときは、買い物リストを作成した上で、店の付近を通過する時間や位置情報を設定しておけば、タイミングよく通知させられるだけでなく、買い忘れも防げるというわけです。

リマインダーを使うと、しかるべきタイミングでメモを表示できます
駅を指定したリマインダーによって、駅前まできたところで通知を受け取りました(iPhone版)
Apple WatchにもGoogle Keepの通知が表示されました

 また、Googleドキュメントにコピーすることもできるため、Google Keepのメモをもとに、資料作りといったことも可能です。

 不要になったメモは、削除かアーカイブのいずれかが選択できます。

このサービスが響く人は?

 メモといえば、EvernoteやOneNoteといった有名なサービスがあり、Googleにもリスト作りが得意な「Googleタスク」といったサービスがあります。それらに比べれば、作成したらラベルで絞り込むくらいのGoogle Keepにできることは非常に少なく、すでにEvernoteやOneNoteを使いこなしている方にしてみたら、今更感のあるサービスに見えるかもしれません。

 たとえば、すでにスケジュールをGoogleカレンダーで管理していて、タスク管理もしっかりやりたい方は、もちろんGoogleタスクがいいでしょう。しかし、そこまでデジタルに依存していない方なら、Google Keepで十分と感じるはず。具体的には、スケジュール帳を使ってまで予定を管理する必要性を感じていない方や、紙のシステム手帳をメインに使っている方、既存のメモサービスは使いこなせそうもないと感じている方々などです。

 Google Keepは入力項目がとてもシンプルで簡単。ゆえに、システム手帳に書いた予定の中でも、特に通知が必要だと思うものだけお知らせさせたい、逆に手帳に書くほどではないプライベートな用事を忘れずに対応したい、買い物リストをみるのに、いちいちシステム手帳を開くのは面倒、といったようなニーズに応えやすいと言えます。

 頭に浮かんだメロディを音声でメモしてもいいですし、Android版なら図形描画もできるので、ウィジェットも使いながら、スケッチ専用のメモツールとして活用してもよさそうです。最近のスマートフォンは大画面化しているので、指先だけでも十分書き込むことができるはずです。このほかにも、とっさに言われた一言を忘れないうちにメモするなど、すぐにメモ帳が取り出せないシーンでも活躍するでしょう。

 リマインダーで場所を指定しづらいなど使いにくい部分はまだありますが、書いて貼っておくだけというシンプルさなのに、マルチデバイスで音声メモやリマインダー付き、しかも容量は気にしなくていいというGoogle Keep、意外と出番はありそうです。

すずまり

プログラマからISPの営業企画、ウェブデザイナーを経て、現在はIT系から家電関連まで、 全身を駆使してレポートする雑食性のフリーライターに。主な著書に「Facebook仕事便利帳」「iPhone 4 仕事便利帳」(ソフトバンククリエイティブ)など。 睡眠改善インストラクター、睡眠環境診断士(初級)。