vProの匠
【匠の部屋】USB-LANアダプターでvProが使えない! でも起動させたい……
- 提供:
- インテル株式会社
2022年4月26日 06:00
テレワークが普及する中で、各企業のシステム管理者から注目を集めている「インテル vPro プラットフォーム」。このプラットフォームでは、インターネット経由でPCを遠隔操作できるが、中には固有のネットワーク環境が原因で、トラブルで発生するケースもあるようだ。
そこで今回は「インテル vPro プラットフォーム」のすべてを知り尽くした“匠”こと牧真一郎氏に、読者の方から問い合わせのあった“あるトラブル”の解決方法を紹介してもらった。
なお、本連載では「匠に聞いてみたい」質問を随時募集中。vProに関する疑問・質問などがあれば、記事末尾のフォームからぜひ投稿してほしい。また、既に投稿いただいた質問は、順次回答していくので、お待ちいただければ幸いだ。
【追記】今期のvPro導入困りごとアンケートの受け付けは終了しました。
今回の質問:「USB接続の有線LANアダプター経由では、vProが使えなくなります。何か解決する方法はないでしょうか?」
――今回は「インテル vPro プラットフォーム」に対応したノートPCで、USB接続の有線LANアダプターを利用している方からの質問です。無線LANではvProが普通に使えるものの、USBの有線LANアダプターで有線LAN接続すると、「インテル vPro プラットフォーム」が使えない。これを解決したいとのことですが、どうしたらいいでしょうか?
牧氏:最近では有線LANポートを搭載しないPCが増えていて、汎用の有線LANアダプターやドッキングステーションなどを別途用意している方もいるようです。こうした市販の有線LANアダプターなどでは、残念ながらAMTを利用したPCの遠隔起動などを行うことはできません。
これは、外付けの有線LANアダプターなどが、ME(マネージメントエンジン)に直接接続されていないことが原因です。この環境ではPCをシャットダウンすると、MEが外付けのアダプター内にあるLANコントローラーを制御できなくなります。これは、LANカードをPCI Expressなどのスロットに装着した場合も同じです。
――「インテル vPro プラットフォーム」を有線LAN環境で利用するには、マザーボードから直接配線されたLANポートを使用する必要があるということですね。
牧氏:基本的にはそうなります。ただ、PCメーカーによっては内蔵LANコントローラーからの信号を外付けするために、ポートリプリケーターやドッキングステーション、拡張ケーブルなど専用の拡張機器を提供している場合があります。これらを利用してLANケーブルをPCに接続すれば、AMTを利用することが可能です。
ただ、同じ型番のPCでも、枝番によって拡張機器をサポートしていない場合があるので、一度メーカーに問い合わせておくとよいでしょう。
――では、それらの拡張機器が、現在利用しているPCをサポートしていない場合は、どうすればいいでしょうか?
牧氏:その場合はAMTを利用するのが難しいので、例えば“起動にWake On LANを使い、そのためにマジックパケットを送信する”など、別の方法を利用することになります。
ただ、vProと違ってUSB-LANアダプターを使った場合、マジックパケットによる起動では、スリープ(S3)状態からの起動しかできず、シャットダウン(S5)したPCを起動できない場合があります。このような場合には、Windowsの電源設定を見直すことになるでしょう。さらに、ネットワーク構成の都合で、マジックパケットが操作されるPCに届かない場合には、中継サーバーなどを用意する必要もあります。
後は、電源を入れるだけでしたら、PCの内蔵時計でタイマー起動するという方法もありますね。多くのPCでは、UEFIで起動時間を設定できますし、AMTにも「Alarm Clock」という機能があります。指定した時間になると必ずPCが起動してしまうので、求めている機能とは違うかもしれませんが……。なお、AMTの「Alarm Clock」はWeb UIやMEBxで直接設定できないので、何らかのアプリケーションが必要です。
――なるほど、ただ1台1台で利用するには、準備に手間と時間がかかりそうですね。PCの電源を入れることができても、遠隔操作にはまた別のツールも必要になります。
牧氏:そうですね。今回のケースではアクセスポイントを用意し、すべての通信を無線LANで行うのが一番良いと思います。こうすることで、遠隔操作をvProに集約しつつ、必要な操作を行えるようになるはずです。予算や許可について、社内に確認されてはいかがでしょうか。
匠への質問、募集中!
……さて、今回は後付けの有線LANアダプター経由で「インテル vPro プラットフォーム」を利用する方法を紹介してもらったが、vProは非常に多機能かつ奥深い。これまでの記事や活用事例を見て、「これはどうやるんだろう?」あるいは「できると思うのに、何故かうまくいかない」と思うことも多いと思う。
当連載は、そうした疑問を随時、匠にお伺いし、みなさまの疑問解消に役立てていきたい。疑問点がもしあれば、是非、以下のフォームから質問を送ってみてほしい。また、既に投稿いただいた質問は、順次回答していくので、お待ちいただければ幸いだ。
【追記】今期のvPro導入困りごとアンケートの受け付けは終了しました。
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・いただきました質問に対する回答は、原則として今後展開する記事内にて行わせていただきます。また、すべての質問への回答を約束するものではございません。
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