イベントレポート

Interop Tokyo 2017

最先端技術で構築したInterop会場内ネットワーク「ShowNet」、今年は91社・約86億円分の機器・サービスが集結

 幕張メッセで開催されているネットワーク技術・製品の展示会/カンファレンス「Interop Tokyo 2017」で7日、イベント会場のネットワーク「ShowNet」の報道関係者向け見学ツアーが行われた。ShowNetとは、産業界、学会、研究機関などから集まる最先端の機器と技術を用いてネットワークを構築するプロジェクト。国内・国外ともに初披露、実稼動となる新製品を実装し、2~3年後のネットワーク業界に浸透する技術を先駆けて挑戦する。1994年のInterop日本初開催以来、毎年実施しており、今年のShowNetには91社から約86億円分の機器・サービスが集まった。

今年のShowNetのトポロジー図

 参加メンバーは産学官から集まったNOC(Network Operation Center)チームメンバーと、機器やサービスを提供するコントリビューター、企業の若手や学生など一般公募のボランティア「STM(ShowNet Team Member)」など合わせて441人。構築したネットワークは会場内の出展企業や来場者に提供しており、利用可能な場所は展示ホール4~7、2階通路、国際会議棟、ShowNetアクセスコーナー。

 今年のテーマは「Inherit the intention(意思を受け継ぐ)」。「これまで取り組まれてきたものは実際に商用化サービスとして世の中で使われている。90年代にはATM、メトロイーサネット、2000年代にはADSL、FTTH、キャリアグレードNAT、SOC、2010年代には100GbE、OpenFlowSDN、Service Chainingなどの技術に先駆けて取り組んできた」と遠峰隆史氏(ShowNet NOCチームメンバー ジェネラリスト/国立研究開発法人情報通信研究機構)は語る。新テーマでは、これまで行われてきたことをそのまま引き継ぐだけでなく、新たな展開へ繋げるという気持ちを込めて設定したそうだ。

遠峰隆史氏(ShowNet NOCチームメンバー ジェネラリスト/国立研究開発法人情報通信研究機構)

 今回は20種類のラックが展示されており、NOCラックの電源総使用量は100Vが148.0kwで、200Vが82.0kw、NOCラック総コンセント数は約350個。

 なお、一般来場者向けにもNOCチームメンバーによる「ShowNetウォーキングツアー」が実施される。参加費(税込)は1000円、学生の場合は学生証提示で500円。

「ShowNetウォーキングツアー」のツアースケジュール。参加するにはチケットを購入する必要がある
1番ラックには対外接続用の機器。大手町―幕張間を接続
足下には実際に接続しているケーブルが見える
4番ラックではPTP(Precision Time Protocol)の相互接続を検証
10・11番ラックではセキュリティ機器を収容
出展社収容のネットワーク
クラウド・データセンター
昨年に引き続き、ラックの背面も公開
ネットワークを運用監視するNOCルーム
トラブル対応のSTMルーム
展示会場内に地域BWA無線局を配置。会場のフリーWi-Fiや、デジタルサイネージ、「IoTいいねボタン」での通信に使われている
ラック各所には地域BWA対応の通信モジュールを搭載した「OpenBlocks IoT EX1」に「sakura.io」の通信プロトコルを実装した「IoTいいねボタン」が設置されていた。ボタンを押すことで展示ラックごとの投票を行う