イベントレポート

Interop Tokyo 2018

東日本大震災被災地の定点撮影でも使われた「FlashAir」、無線LAN機能付きSDカードを活用したIoTソリューション

 「Interop Tokyo 2018」の東芝メモリ株式会社のブースでは、無線LAN機能内蔵SDカード「FlashAir」を使ったIoT機器やソリューションを紹介している。

 FlashAirは、カメラで撮影した画像をPC/スマートフォンから無線LAN経由で取り出すことができるSDカードだが、汎用スクリプト言語「Lua」の対応やAPIの公開、GPIO機能の装備など、IoT分野などへの応用が可能な製品に仕上がっているのが特徴だ。

開発用ボード「Airio-Base」(株式会社クレイン電子が開発)なども発売されている

被災地の復興の模様を記録する「AirLapse」

 例えば、大規模施設の解体・建設状況などを定点撮影するサービス「AirLapse」においては、一眼レフカメラで撮影した高品質の静止画・動画をFlashAirがクラウドにアップロードする役割を持っている。同サービスは東日本大震災の復興の模様を約10年間撮影することを目的に、タイプアールがTBSテレビと共同開発を行ったもの。設置機器はソーラーパネルで蓄電し、有線回線不要の独立型の監視システムとして機能する。

 実用例としては、震災復興の記録以外に、TBSテレビ社屋のパラボラアンテナ撤去工事、東京スカイツリーのアンテナ増設工事、タケダワイナリーでのぶどうの成長記録などに使われている。

デジタルフォトフレームをクラウド管理の電子ポップに

 このほか、通信機能の無いデジタルフォトフレームなどにFlashAirを挿して、クラウド管理の電子ポップとして活用するデモも行っていた。既存の機器を利用して手軽にコンテンツのネットワーク配信・管理が可能なため、データ更新の度にSDカードを入れ替える手間を削減できる。

各デジタルサイネージに表示するコンテンツを遠隔でまとめて更新できる