イベントレポート

CEATEC 2024

「AI関連の業界団体」はいくつある?技術に資格、活用、法律、学術……

ネットワーキングイベントがCEATEC会場で実施される

 すでに生活の一部になりつつある生成AIだが、技術や応用法は発展途上。社会的位置づけや法的ルールも整備中だ。そして、こうした状況を解決すべく、AI関連の業界団体も次々と設立されている。しかし、今度は数が多すぎて状況把握も難しいほど。

 こうした中、CEATEC 2024では、AIに関する業界団体向けのネットワーキングイベントが開催された。

 本稿では、この模様を通して、各団体を紹介していきたい。

13団体が閉場後の幕張メッセに集合

予定のタイムテーブル

 ネットワーキングイベントが行われたのは10月17日の17時。CEATEC 2024の会期3日目の閉場後。会場となったのは「AI for ALL」のステージだ。

 講演を行ったのは、次の13団体と1社。

 歴史の長さやテーマは千差万別で、技術そのものをテーマにしている団体から、使い方普及、ルール作り、枠組み作り、学術研究の団体もあり、また、AI専門の団体もあれば、AI以外を専門とする団体などが、注力部門としてAIに関わっている例もある。

 会場では、それぞれの団体より講演があり、その後、交流や記念撮影が行われた。

AIセーフティインスティテュート(AISI)
IPAに設置されている機関。安全、安心で信頼できるAIの実現に向け、AIの安全性に関する評価手法や基準の検討・推進を行う。基調講演を所長の村上 明子氏が行った。【Webサイト】
GPAI東京専門家支援センター
AIの理論と実践のギャップを埋めるためのイニシアティブ。NICT内に設置されている。産業界、市民社会、政府、国際機関、学界の専門家が集まり、OECDの「AIに関する理事会勧告」を基盤に国際協力を推進。信頼できるAIの普及を目指し、学際的な研究の共有やAI実務者間での重要課題の特定を支援する仕組みを提供する。事務局長の柴崎 哲也氏が基調講演を行った。【Webサイト】
パナソニックコネクト
基調講演としてパナソニックコネクトの河野 昭彦氏が同社でのAIの活用事例を紹介した。同氏は一般社団法人 Generative AI Japan(GenAI)の理事でもある。【Webサイト】
一般社団法人 AIアライメントネットワーク(ALIGN)
AIと人間の調和した未来を目指す「AIアライメント」に取り組む研究者と実務者のエコシステムを構築。活性化させることを通じて、文化的・地理的多様性に貢献する一般社団法人。【Webサイト】
一般社団法人 AIガバナンス協会(AIGA)
「AIガバナンス」の社会実装を推進する一般社団法人。「AIガバナンス」によって、適切なリスク管理を通じてAIの価値を最大化していくとのこと。【Webサイト】
AI法研究会(AI and Law Society)
AIが普及するための法的・倫理的基盤を構築し、AIによる豊かな社会の実現を目的とする研究会。主なメンバーは弁護士などの法律家とのこと。【Webサイト】
一般社団法人 Generative AI Japan(GenAI)
産学連携で生成AI活用を議論し、共創する一般社団法人。理事には、AWSやGoogle Cloud、日本マイクロソフト、Oracleなど、大手クラウドベンダー関係者が名を連ねている。生成AIの優れた活用事例を表彰する「生成AI大賞2024」も開催。【Webサイト】
一般社団法人 人工知能学会(JSAI)
人工知能に関わる学会。人工知能に関する学問研究や産業の発展を促進し、会員や関連学協会との交流を通じて国内外での分野の進歩に貢献していくという。【Webサイト】
一般社団法人 生成AI活用普及協会(GUGA)
生成AIの社会実装を通じて産業再構築を目指す一般社団法人。「生成AIパスポート」などの資格試験や、IT導入補助金申請支援を行う「GUGA生成AIコンソーシアム」を提供している。【Webサイト】
日本画像生成AIコンソーシアム(JIGAC)
画像などの「ビジュアル素材」を生成するAIが、日本社会で安心・安全に活用できるための持続可能な枠組みの議論と実証を行うコンソーシアム。代表は、アマナイメージズの望月 逸平氏。【設立のニュースリリース】
一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)
中立的なITユーザーの団体として活動する一般社団法人。ITの高度利用を通じて日本の産業経済の発展に貢献する。調査研究や普及啓発、情報提供などを行い、IT利活用の向上を促進していく。【Webサイト】
一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA)
ディープラーニングなどの技術で日本の産業競争力向上を目指す一般社団法人。理事長は東京大学大学院工学系研究科の松尾 豊教授。AI・ディープラーニングの活用リテラシー習得のための検定試験「G検定」やディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を問う「E資格」といった認定プログラムを行っている。【Webサイト】
一般社団法人 組み込みシステム技術協会(JASA)
組込みシステムの調査研究、標準化の推進、普及及び啓発等を行う一般社団法人。DevOpsプラットフォームでのAI活用などについて説明を行っていた。【Webサイト】
一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)
CEATECの主催者でもある一般社団法人。Society 5.0に向けた社会課題を解決するため、あらゆる産業を繋げ、IT/エレクトロニクス産業を中核にしたステークホルダーを結節するプラットフォームを実現する。今回は「AIに関する新たな取り組みの構想」の説明を行った。【Webサイト】