イベントレポート

CEATEC 2025

CEATEC 2025では「量子コンピューターをその場で試せる」ブースあり、物流や交通会社でも活用中!

 今回のCEATECで目立ってきたのが量子コンピューターなど、量子技術を活用した出展だ。理研や産総研、日立など、大規模なブースでの展示も多かった。

 その中で興味深い出展を行っていたのが「量子コンピューター体験できます」と掲げたシグマアイ。NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のパビリオンには、NEDOがサポートする量子技術関連のブースが複数あるが、同社はその中のブースの1つだ。

 シグマアイが出展するのは、D-Wave Systemsによる量子アニーリング(組み合わせ最適化問題を超高速で解くための計算技術)の実演で、一般的な演算では難しい「複数個所を回る経路の最適化」などを、その場で試せる。

操作画面
シミュレーターか本物の量子アニーリングかを選択できる

 ブースにあるのは操作画面のみで、量子アニーリングを処理する機器はその場にないが、演算内容を設定したうえで「シミュレーテッドアニーリング」と「量子アニーリング」を選択、実際に処理させて結果を見られる。

結果

 なお、量子アニーリングは「唯一の正解」を演算するものではなく、「最適に近い結果」を導き出す技術だが、シミュレーターによる「シミュレーテッドアニーリング」と本物の量子技術を使う「量子アニーリング」の違いは、主に精度に現れ、量子アニーリングを用いたほうがより「最適に近い結果」を出せるとのこと。

 結果表示では、「どれだけ最適な結果を出せたか」の指標も表示されていた。

 なお、興味深いのが既に同社がサービスを提供しているという顧客例。「大手化学メーカーでの材料の最適化」のほか、「大手商社との実証で物流改善」「大手交通会社で人員割り当てを最適化」といった例が挙げられており、量子技術の実用化が進んでいることがうかがえた。

NEDOのパビリオンでは量子技術の活用をアピールするブースが複数あった