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フェイスブックのデータ流出問題:対策は進むものの信頼回復への道は長い

 フェイスブックに蓄積されているユーザーの個人情報が流出し、不正に政治利用されたのではないかとされる事件を受け、フェイスブック社では次々と対策を行っているようである。また、広告主が出稿を停止したことなども報じられていて、ユーザーの信頼のみならず、ビジネス的な影響も明らかになりつつある。そのようななか、ザッカーバーグCEOは責任を認め、現地時間4月10日には米国上院公聴会に出席し、証言を行ったことも報じられている。しかし、同社が立脚する技術、そしてビジネスモデルを考えると、フェイスブック社としての信頼回復への道のりは長そうだ。

 世界各国で利用されているSNSというプラットフォームにおけるこの事件は、特定の事業者のスキャンダルとしてだけではなく、ユーザー自身が意図したか、していないかかかわらず、日々の生活で提供してしまっている個人情報がどのように利用されているのかということに考えを巡らせるよい契機となった。一般のユーザーにとって、自分が向かい合っている端末の先で技術的、ビジネス的にどのようなことがなされているのかという情報を得て、そこからリスクを想像することはとても難しい。そうしたリスクを排除したいなら、いっそのことインターネットを使わなければよいという極端な結論ではない「バランス」をどのように見いだすのかということが今後のわれわれの課題でもある。

ニュースソース

  • Facebook、「サービス規約」と「データに関するポリシー」を“明確化”[ITmedia
  • Facebook、データ漏洩問題で「少数の」広告主が出稿を停止したことを認める[TechCrunch日本版
  • Facebook、ユーザー情報の不正取得は最大8700万人分に--数々の対策を発表[CNET Japan
  • Facebook、医療機関とデータを共有するプロジェクトを停止[CNET Japan
  • Facebook、電話番号とメールアドレスによる検索機能を撤廃[GIZMODO
  • Facebook、不正データによる広告ターゲティングを阻止する認証機能を開発中[CNET Japan
  • Facebookが第三者データ利用を禁止、広告業者への影響は?[DIGIDAY日本版
  • FacebookのザッカーバーグCEO、情報流出やロシア問題に見解--「責任は私に」[ZDnet Japan
  • Facebook診断アプリに注意 情報流出の被害、友達にも 対策は[ITmedia
  • フェイスブック、EUデータ保護規則の世界適用は未定=CEO[ロイター
  • フェイスブックCEO、10─11日に米上下院委員会で証言[ロイター
  • 印象改善をはかるFacebook、サードパーティとの個人情報の共有を廃止[GIZMODO

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