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デジタル時代の法整備も進んでいる

 国会の話題といえば、連日、森友学園や加計学園をめぐる論戦ばかりが報じられているが、実はデジタル時代を反映する法整備も進んでいる。

 ひとつは医療目的での患者のビッグデータを利活用できるようにするための「次世代医療基盤法」で、医療ビッグデータ法とも呼ばれ、本年5月11日から施行された。この法律は、利用目的によって患者の個別同意を得ることなく、匿名化したうえで、第三者への提供を可能にし、研究開発などに利用できるようするという趣旨である。希望しない人、提供の停止をした人は明示的な意思表示が必要となる。

 もうひとつは、インターネット上で著作物の利用を拡大する改正著作権法が5月18日に参院本会議で可決・成立し、一部を除き来年1月1日に施行する。この法律は、著作権者の明示的な許諾なしに書籍の全文を電子データ化し、特定のキーワードを含む書籍を検索するためのソフトウエアが利用することが想定されていて、検索結果として画面に表示できるのはタイトルや本文の一部に限られるとしている。著作権者や出版社への経済的な損失は抑えたうえで、書籍に記載されている情報や知識を探し出すことが容易になるサービスの開発が期待される。

 消費者の生活には直結しているような話ではないし、一般にはわかりにくかもしれないが、デジタル化社会のなかでは知っておくべきことがらである。

ニュースソース

  • 医療ビッグデータ利活用へ、次世代医療基盤法が施行[日経デジタルヘルス
  • 書籍全文をデータ化、検索容易に 改正法成立、著作権者の許諾不要[共同通信社

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