ニュース
LINE、bot開発用の新Messaging APIの提供を発表
2016年9月29日 16:33
LINE株式会社は29日に開催した技術者向けカンファレンス「LINE DEVELOPER DAY 2016」において、新たなMessaging APIの提供をはじめとした「LINE」アプリのchatbotに関する新展開を発表した。
LINEでは4月7日から、LINEサーバーを介して、自社サーバーとエンドユーザーのLINEアプリ間で情報の送受信を行う対話型botアプリケーション開発用の「LINE BOT API Trial Account」を、LINEビジネスコネクトの導入企業やパートナー向けに無償で試験提供している。今回提供される新しいMessaging APIは、LINE公式アカウントおよびLINE@アカウント向けにも提供される。
新しいMessaging APIでは、「はい」「いいえ」などシンプルな2種類のアクションを提示する「Confirm Type」、画像やテキストなど複数のアクションボタンを組み合わせた「Button Type」、Button Typeと同様の情報を横方向にスクロールする形式で複数配置できる「Carousel Type」の3種類のメッセージタイプが新たに追加され、今後拡充される予定。
また、複数人のトーク/グループトークにも対応。複数人での会話中に適切な情報やコンテンツを提供可能になった。
APIは「クリーンでシンプルな」ものに生まれ変わったとされ、可読性の改善、サンプルコードの拡充なども行われている。Java/golang/Ruby/PHP/Perl 5の5言語向けに公式SDKもリリースされるなど、開発者向けサポートも高められている。
新しいMessaging APIでは、ユーザーから受信したメッセージやイベントに対して返信する「Reply Message API」、任意のタイミングでユーザーにメッセージをプッシュ送信する「Push Message API」の2種類のAPIで、ユーザー向けに送信できる。
このほかAPIは、友だち追加情報やユーザーから送信されたメッセージをリアルタイムに受信する仕組み「Webhook」、ユーザーから受信した画像や動画、音声をダウンロードする「Get Content API」、ユーザーのプロフィール情報を取得する「Get Profile API」、参加したグループやトークルームから退出する「Leave API」から構成される。
LINE@のプランに応じて、Reply Message APIとPush Message APIの利用可否や配信メッセージ数、友たちの数の制限が異なるほか、APIごとの呼び出し回数にも制限があり、Developer Trialでは1分あたり1000回、それ以外では1分あたり1万回となる。リクエスト通信はJSON形式のAPIを活用して行われる。
Messaging APIを利用するアカウントの作成は、LINE@やLINE Loginなどの申し込みや管理が行える「LINE Business Center」から利用登録を行える。
Messaging APIを活用したアカウントとして、アーティスト名や歌詞から楽曲の検索や再生ができたり、おすすめの楽曲を受け取れる「LINE MUSIC Search」、鉄道やバスの運行案内や乗換案内の情報を対話形式で入手できる「NAVITIME」、連携したウェブサービスからの通知をLINEで受信可能になる「LINE Notify」が紹介された。
LINE Notifyと連携するサービスとしては、ウェブサービス自動連携ツール「IFTTT」、ソフトウェア開発における共有・管理ツール「GitHub」、株式会社はてなが提供するサーバー監視サービス「Mackerel」がアナウンスされた。
また、Messaging APIの特性を活かしたbotを表彰する「LINE BOT AWARDS」の開催もアナウンスされた。優勝賞金は1000万円で、11月上旬にエントリーの受付を開始し、2017年1月上旬の締切、2月下旬の表彰式が予定されている。詳細は10月中に公表される予定。