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DeNA、「MERY」も全記事非公開へ、第三者調査委員会を設置して事実関係・原因を究明
2016年12月5日 19:34
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)は5日、同社のキュレーションプラットフォームサービスについて、「MERY」を含む全記事の非公開化と、第三者調査委員会の設置を発表した。
DeNAのキュレーションプラットフォームサービスに関しては、健康情報を扱うキュレーションサイト「WELQ」について、「根拠が不明確で誤った知識の提供につながりかねない医療関連記事の掲載を行なっていたという問題に加え、他の方が作成された記事等に対して不適切な取り扱いをしているのではないか、またこれが組織的になされたものではないか、さらには、当社の企業文化・風土に起因する問題なのではないか」(DeNA)といった指摘があり、11月29日に全記事を非公開としていた。
さらに12月1日には、WELQと運営体制・方針が共通するキュレーションサイト「iemo」「Find Travel」「cuta」「UpIn」「CAFY」「JOOY」「GOIN」「PUUL」についても、「マニュアルやライターの方々への指示などにおいて、他サイトからの文言の転用を推奨していると捉えられかねない点があった」(DeNA)として、同プラットフォームで展開する10のキュレーションサイトのうち、9つが全記事を非公開になっていた。一方、残るMERYについては運営体制・方針が異なるとして全記事の非公開化には踏み切っていなかったが、実際には多くの記事が非公開化されていることがネットメディアなどにより指摘されている。
DeNAでは今回、「運営に関する疑義を明らかにするための厳正かつ公正な調査を行なうにあたっては、サービス運営が停止していることが必要」として、MERYを含むすべてのキュレーションプラットフォームサービスの記事の非公開化を決定したと説明している。MERY全記事の非公開化は、12月7日の予定。
第三者委員会は、DeNAの社外取締役を含む外部専門家によって構成。今回の問題についての事実関係を調査するとともに、企業風土やコンプライアンス・組織運営体制などの背景も含め、原因を究明し、報告書を公表するとしている。
DeNAによると、同社のキュレーションプラットフォーム事業の売上は、直近の2017年3月期第2四半期(累計)で14億8400万円で、損益は2億3600万円の赤字。また、第3四半期(累計)の業績予想は、売上が21億7800万円で、損益は800万円の黒字を見込んでいた。しかし今回の決定により、同四半期での黒字化および2018年3月期中に四半期単位で10億円の利益を創出するという目標は取り下げざるを得ないとしている。