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写真からの指紋解析を防ぐ「BiometricJammer」に改良版、指先貼り付けパターンの見た目が改善

「BiometricJammer」についての解説画像。左上が改良版。左下の従来版と比べて、見た目の違和感が緩和されたことが分かる

 大学共同利用機関法人情報・システム研究機関国立情報学研究所(NII)は、コンテンツ科学研究系教授の越前功氏らの研究チームが手がける指紋盗撮防止手法「BiometricJammer」の最新改良版について、ドイツで開催される見本市「CeBIT 2017」へ出展すると発表した。

 BiometricJammerは、指先を写した写真などから指紋を解析されないようにするための技術。具体的には、指紋の特徴点検出を妨害するための模様(ジャミングパターン)をステンシルシートに施し、指へと転写する。画像からの復元を防ぎながらも、接触式の指紋センサーについては誤作動しないのが特徴。

 今回出展する改良版は、模様と装着方法が従来から大幅に変わった。幾何学的な模様の代わりに疑似指紋パターンを用い、見た目の違和感を軽減、また、転写時にベース素材の塗布が不要となり、装着がより簡単になった。

 デジタルカメラの高画質化を背景に、写真から解析した指紋が悪用される危険性は高まっているという。越前教授の研究チームでも、一般に市販されているデジタル一眼レフカメラで3mの距離から撮影した指の画像を元に、認証に必要な指紋情報を抽出できたとしている。

 CeBIT 2017はドイツ・ハノーバーで3月20~24日に開催予定。BiometricJammerは「ジャパン・パビリオン」にて展示される予定。