ニュース

保育園の新設予定地などが表示される“未来の地図”で不動産検索が可能、地図サイト「MapFan」で新サービス提供開始

 引っ越しシーズンを前に、インクリメントP株式会社が提供する地図サイト「MapFan」で8日、「未来地図×不動産検索サービス」の提供を開始した。現時点の地図情報だけでなく、これから開設・開業が予定されている保育園や病院、商業施設などの情報も表示される“未来の地図”上で不動産物件を検索できるのが特徴。間取りや価格・家賃、交通のアクセスだけでなく、未来の周辺環境も考慮した住まい探しができるという。利用は無料。

 MapFanのトップ画面から「住まい探し[未来地図]」をクリック/タップすることで利用可能。借りる/買う、マンション/アパート/一戸建て、価格、間取りなどを指定して検索・絞り込むことで、それらの条件に合致する物件の場所が地図上にプロットされる。不動産情報サイト「アットホーム」が保有する物件情報を使用している。

 最寄り駅や各種施設などとの位置関係を視覚的に把握しながら物件探しができる点でも便利だが、このサービスでは、地図画面上に「未来地図」のスライダーがあるのが最大の特徴だ。スライダーでは「OFF」「2018年」「2019年」「2020年」「2021年」を選択できるようになっており、ここで選択した年までに開設・開業する予定となっている施設が地図上にアイコンで表示される仕組みだ。

 サービス開始時点で収録している情報は、約80カテゴリー/9000件。学校(小・中・高等学校、大学、保育園、幼稚園など)約3000件をはじめ、病院、官公庁、博物館や公園などの文化・スポーツ施設、商業施設、オフィスビル、ダムなどの土木物などのカテゴリーがある(アイコンの種類は13種類)。

 これらの情報は、インクリメントPの独自調査による“先行情報データ”の一部。同社では地図データを整備するにあたり、官報や地方自治体の広報誌、地方紙、建設業界などの業界紙などの情報ソースを日々チェックし、新しく共用される道路や各種施設の情報を収集。先行情報データとして整備することで、実際に開通・開業した際に迅速に地図データに反映できるようにしている(このあたりの情報収集・データ整備体制の詳細については、同社の地図制作拠点を取材した本誌2015年4月2日付記事『道の形、家の形、駐車場入口の正確な位置……最新地図を支える日々の情報収集とトレースの日々』をぜひ参照してほしい)。

 こうした先行情報データは従来、地図用のデータとしてすでに準備されてはいるものの、現在の地図上には表示されないものであり、法人向けの有償データとして販売。不動産・投資関連業界などで活用されていたものだったという。今回、その一部が一般ユーザー向けにも提供されるかたちだ。

 なお、法人向けの有償データでは、3年後までに新たに開設・開業する施設だけでなく、廃止・廃業予定の施設の情報もカバーしているほか、各施設の具体的な開業予定日や面積、フロア数などの詳細なデータも含まれるという。

 今回、提供を開始した「未来地図×不動産検索サービス」では、新たに開設・開業する施設(学校の統合・移転を含む)について、その場所とおおよその開業時期を示すものとなっている。また、あくまでも各種施設の情報が対象であり、開通道路や区画整理・大規模開発などの先行情報データは含まれていない。