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仮想通貨イーサリアム日本初の公式コミュニティイベント、“世界の不均衡・不平等”解決に向けて

 イーサリアムの開発者向けイベント「Ethereum Japan Community Meetup #1」が東京大学(東京都文京区)にて3月28日に実施された。同イベントは日本初の公式イベントとなり、イーサリアムの創設者であるVitalik Buterin氏をはじめ、イーサリアム財団の宮口礼子氏(Executive Director)、分散型アプリケーション(DApps)の開発者らが登壇。事前に販売された300枚のイベントチケットも完売し、当日の会場は来場者で溢れかえっていた。

 Vitalik Buterin氏は、ブロックチェーンのスケーラビリティ問題の解決方法として提案されているフレームワーク「Plasma」や「Sharding」、今後移行を予定しているProof of Stake(PoS)ベースの「Casper」の概要について解説を行った。また、DApps開発者である「Cosmos」のJae Kwon氏、「Golem」のJulian Zawistowski氏らも各プロジェクトの概要を説明した。

Vitalik Buterin氏
CosmosのJae Kwon氏
GolemのJulian Zawistowski氏

世界中の“不均衡・不平等”を解決する技術としてのイーサリアムを目指す

 宮口氏は、ビットコインが開発途上国で女性の財政的自立の手段として活用されている事例を2012年ごろに知り、ブロックチェーン技術に関心を持ったという。元々、マイクロファイナンスを学んでいたこともあり、ブロックチェーン技術が「世界中で起こる不平等や不均衡なもの(貧困、性差別、人身売買、アンフェアトレードなど)を解決できる可能性があるのではないか」と思ったそうだ。

イーサリアム財団の宮口礼子氏(Executive Director)

 「世界中で2400万人以上の人が人身売買の犠牲となっており、その問題の半数以上がアジア太平洋地域で起こっている。それに対して、ブロックチェーンは犠牲者の身元を確認し、家族を見つけることなどに活用できる。イーサリアムコミュニティでは、こうした問題を解決することを目指しており、イーサリアム上ではソーシャルインパクトを生み出すことができるDAppsがたくさん作られている。スケーラビリティ問題が解決しない限りこれらのアプリケーションも立ち上がらないので、そこをサポートしたいと思った」と財団参加への動機についても言及。

 「基本、コミュニティがあっての財団。日本に合った形でコミュニティが育つことに期待している」とコメントした。