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ESETとキヤノンITSが日本法人「イーセットジャパン株式会社」設立、国内トップ3の市場シェア目指す

 スロバキアのESET社と、キヤノンITソリューションズ株式会社(キヤノンITS)は13日、合弁会社「イーセットジャパン株式会社」を設立したことを発表した。キヤノンITS代表取締役社長の足立正親氏は、イーセットジャパンとの連携により、包括的なセキュリティソリューションサービスを迅速に提供する体制を整えるとしている。

 事業展開プランについては、9月1日に事業を開始し、初年度はリソースや組織体制の確立、1~2年目は新ソリューションの導入、3~5年目は年2ケタの売上成長で国内市場シェアトップ3のベンダーになることを事業目標として掲げた。

 イーセットジャパンカントリーマネージャーの黒田宏也氏によれば、“働き方改革”の推進で法人におけるPCやスマートフォンなどの端末の活用が広がる中、セキュリティ対策への取り組みも重要視されるようになったという。

 2015~2017年におけるESETの顧客セグメント別販売額や市場シェアは、個人、SOHO、中小企業、大企業、公共・教育、全てのセグメントにおいて増加中で、中堅企業では10%を超えるシェアを獲得したという。エンドポイントセキュリティの市場規模は継続して成長しており、現時点でESETの国内市場シェアは7%、国内では4位となるそうだ。日本に拠点を置くことで、国内におけるサービス・情報発信をさらに強化するとしている。

顧客セグメント別販売額と市場シェア

 具体的には、ESETとキヤノンITSが持つセキュリティやサポートのノウハウを活用することで、国内市場におけるブランド力の向上や、新ソリューションの提供に力を入れるとしている。成長余地のある大企業には新ソリューションの提供、個人向けにはセキュリティ対策の情報発信や、顧客の要望を製品開発に迅速に反映する体制を整えることで「ブランドとシェアの向上を目指すマーケティング活動を行う」としている。

イーセットジャパン株式会社カントリーマネージャーの黒田宏也氏

 エンタープライズ向けのソリューションについては、2018年末に統合管理ツール「Security Management Center」やエンドポイント向け製品「Endpoint Protection」の最新バージョン、2019年にはクラウド型サンドボックス「Dynamic Threat Deffense」やEDR製品「Enterprise Inspector」、脅威インテリジェンスサービス「Threat Intelligence」を提供する。

 キヤノンITSでは、従来の技術サポートに加えて、これらの製品の導入・運用を支援するための、セキュリティエンジニアによる“プロフェッショナルサービス”を展開するという。同サービスの強化に向けて、マルウェアアナリストやフォレンジックアナリストなどの育成を行っているそうだ。

エンタープライズ向けセキュリティ事業の確立を目指す

 キヤノンITS執行役員・ITインフラセキュリティ事業部長の近藤伸也氏によれば、デバイスの脆弱性を悪用した攻撃の増加、それらのサイバー犯罪を助長するサービスの普及など、攻撃の複雑化・巧妙化が進んでおり、企業がそれらのリスクにさらされる状況になっているという。そのため、エンタープライズ向けのソリューションとサービスを国内でも迅速に提供できる体制を整えることで、リスクを最小限に抑えるとしている。

キヤノンITソリューションズ株式会社執行役員・ITインフラセキュリティ事業部長近藤伸也氏