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「ScanSnap」が6年ぶりのフルモデルチェンジ、白い新機種「iX1500」で変わった7つのポイント

「ScanSnap iX1500(FI-IX1500)」

 株式会社PFUは、パーソナルドキュメントスキャナーの新機種「ScanSnap iX1500(FI-IX1500)」を10月12日に発売する。オープンプライスだが、同社が運営するオンラインショップ「PFUダイレクト」での販売価格は4万8000円(税別)。受注開始は10月2日から。

 2012年に発売した「ScanSnap iX500(FI-IX500)」から実に6年ぶりのフルモデルチェンジだという。「簡単・スピーディー・コンパクト」そして「『ワンタッチ』への追及」を基本コンセプトとして開発したiX1500では、筐体デザインを一新し、本体に大画面タッチパネルを装備。PCレスでの使い勝手を向上させた。スキャン速度も高速化したほか、A3サイズの原稿も2つ折りでそのままスキャンできるようになった。無線LAN(Wi-Fi)接続は、5GHz帯のIEEE 802.11ac規格にも対応。専用ソフトも「ScanSnap Home」として刷新しており、ファイル名の修正やOCR抽出データの修正に対する学習機能なども搭載した。

「ScanSnap」の新機種「iX1500」で変わった7つのポイント

  1. 白く、エレガントな筐体デザインに。背面もスッキリ
  2. 大画面タッチパネル装備、ワンタッチで各種スキャン操作が行えるストレスフリー設計
  3. 給紙トレイ展開からスキャンまで最速2.9秒の高速機能、スキャン速度も20%アップ
  4. 「手差しスキャン」でA3原稿の2つ折りスキャンが簡単に、小型原稿には「名刺・レシートガイド」標準添付
  5. センサーの汚れを検知して清掃を促す機能を搭載、「縦筋軽減」処理も可能
  6. Wi-Fi接続が5GHz帯にも対応、「ダイレクト接続モード」でデバイスとのWi-Fi直接接続も可能
  7. 専用ソフトは「ScanSnap Home」に統合、 「学習機能」によりファイル名やOCR抽出データの修正をアシスト

白く、エレガントな筐体デザインに。背面もスッキリ

 オフィスのほか、書斎やリビングなど、どこにおいてもなじみ、親しみやすい、エレガントさを感じる筐体デザインを採用したという。本体サイズは292×161×152mm(幅×奥行×高さ、給紙カバーを閉じた状態)で従来機種とほぼ同サイズながら、カラーは黒から白へ変更。給紙カバーの淵のラインを曲線にするなど、直線基調のシャープな印象だった従来機種から一新した。

 本体前面だけではく、背面のデザインにもこだわった。背面に設けられたUSBポートにはシャッターが用意されており、Wi-Fi接続でiX1500を使用する際は、これを閉じた状態で使用できる。機種名などを記載したシールも底面にあり、背面が非常にすっきりとした。

 給紙カバーを開けた状態では、給紙トレイの長さが従来機種よりも少しだけ長くなっており、エクステンションを伸ばさなくても、セットした紙が垂れにくいといった細かな配慮もある。このほか、本体正面の下部から引き出すスタッカーは、ワンアクションで引き出せる構造にするとともに、こちらも湾曲したデザインを採用した。

大画面タッチパネル装備、ワンタッチで各種スキャン操作が行えるストレスフリー設計

 給紙カバーを開けると、4.3インチのTFTカラータッチパネルディスプレイが現れる。「おまかせスキャン」「名刺を管理」「家計の支出を管理」といった定番操作のアイコンが表示されているほか、ユーザーがあらかじめカラーモードや解像度、スキャンしたデータの保存先などをカスタマイズしたプロファイル設定もアイコンとして登録可能だ。スキャン時には、PCを操作しなくとも、タッチパネルのスワイプ/タッチ操作だけでスキャン操作が行える。

 アイコンは「はがきや年賀状の整理」「メールに添付」「料理のレシピを分類」「学校の配布物を後で見る」といったものを含め、20種類以上のテンプレートを用意。最大30種類までのプロファイル設定をアイコンとして登録しておける。

 そのほか、「ScanSnap Cloudに送る」というテンプレートもあり、同アイコンを選んでスキャンアイコンをタップするだけで、ScanSnap Cloudと連携する各種クラウドサービスへの直接保存が可能だ。連携するクラウドサービスとしては、ドキュメント管理の「Box」「Dropbox」「Evernote」「Google Drive」「OneDrive」、名刺管理の「Eight」、会計・個人資産管理の「freee」「MFクラウド」「弥生会計」など、写真管理の「Google フォト」がある。

 さらに、スキャンプロファイルを設定した各アイコンには、8種類の色を設定可能。例えば社員や家族など、ユーザーごとに使用するアイコンを色分けしておくことで、アイコンを見つけやすくなる。

 このほか、カラーモードや解像度などの主な読み取り設定の都度変更も、タッチパネル操作のみで可能だ。

給紙トレイ展開からスキャンまで最速2.9秒の高速機能、スキャン速度も20%アップ

 給紙カバーやスタッカーのスタンバイを速やかに行えるよう配慮した筐体デザインや、タッチパネルディスプレイで本体のみでスキャン操作を行えるようにした使い勝手の面でのストレスフリー設計に加え、起動時間の高速化やスキャン速度のアップによるストレスフリー化も行われている。

 高速起動を可能にする「クイック」モードでは、「ノーマル」モードに比べて待機中の消費電力は多くなるものの、「給紙カバーを開けてからすぐに使える高速起動を実現した」という。具体的には、スキャン開始までの時間が、USB接続の場合、ノーマルの6.1秒からクイックでは2.9秒へ約2倍に、Wi-Fi接続時は、ノーマルの16.8秒から5.4秒へ約3倍にそれぞれ高速化。「起動の待ち時間を感じることなく利用できる」としている。

 スキャン速度は、A4カラー両面原稿をカラーモード/300dpiでスキャンした場合、従来機種iX500の25枚・50面/分から、新機種のiX1500では、30枚・60面/分へと、20%速度向上した。

「手差しスキャン」でA3原稿の2つ折りスキャンが簡単に、小型原稿には「名刺・レシートガイド」標準添付

 原稿の搬送設定として、給紙トレイにセットした原稿を一度にスキャンする「通常スキャン」、複数回に分けてスキャンする「継続スキャン」に加えて、原稿を1枚ずつスキャンする「手差しスキャン」を新たに用意。手差しスキャンでは、付せん付きの書類や写真が貼り付けられた履歴書、封筒、複写伝票、身分証のプラスチックカードなど、搬送性の悪い原稿を1枚ずつ確実にフィードしてスキャンできる。

 また、手差しスキャンを使用することで、A4よりも大きなサイズの原稿も簡単にスキャンできるようにした。例えば、A3サイズの原稿ならば、2つ折りにして手差しスキャンすることで、A4で両面がスキャンされ、両面のつなぎ目が自動補正されて1枚のデータとなる。なお、つなぎ目の文書や絵柄がつながっていない場合は、A4文書×2枚と認識される。

 原稿の搬送性を向上させるパーツとして、「名刺・レシートガイド」も標準で添付する。これは、名刺/レシート用(原稿幅50.8~58mm)、レシート用(同50.8~83mm)、書類用(同B6~レターサイズ)という3つの間口のスロットを備えた給紙ガイドだ。

 通常はこうした小さいサイズの原稿をセットする場合、可変式の給紙ガイドの幅を狭めることで斜行を防止するが、名刺・レシートガイドを給紙トレイに取り付けることで、名刺などの小さな書類や、カールしやすいレシートのような原稿の読み取りが効率化できるとしている。名刺・レシートガイドを取り付けたまま、給紙カバーを閉じることも可能だ。

センサーの汚れを検知して清掃を促す機能を搭載、「縦筋軽減」処理も可能

 「クリーニングアラーム」機能も搭載。スキャン前に、読み取りセンサーガラスに付着した紙のカスや糊などの汚れを検知してアラートを出し、クリーニングを促す。センサーのどの位置が汚れているかもディスプレイに表示される。汚れによってスキャンデータに縦筋が入ってしまい、再スキャンするといった手間を未然に防ぐ。

 一方で、ソフトウェア処理による「縦筋軽減」機能も用意。汚れが付いたままスキャンし、スキャンした画像データに縦筋が入ってしまった場合でも、ソフトウェア処理でこれを軽減できる。なお、この機能は、ScanSnap Cloudまたは後述する専用ソフトウェア「ScanSnap Home」で利用可能だ。

Wi-Fi接続が5GHz帯にも対応、「ダイレクト接続モード」でデバイスとのWi-Fi直接接続も可能

 PCなどのデバイスとの接続は、IEEE 802.11ac/a/n/g/b対応のWi-FiとUSBに対応する。このうちWi-Fiについては、2.4GHz帯に加えて、新たに5GHz帯にも対応した。PFUによると、パーソナル向けのドキュメントスキャナーではおそらく初めてだという。2.4GHz帯では電子レンジやBluetoothなどと干渉して通信が不安定になる場合があるが、5GHz帯ならば電波干渉する機器が少なく、安定して快適に利用できるとしている。

 なお、5GHzのIEEE 802.11acは1ストリーム(1×1)でリンクレートが最大433Mbpsというスペック。5GHzへの対応は、速度の向上というよりも、通信の安定を目的としたものであり、iX1500のスキャン速度でのデータ伝送であればWi-Fiの通信速度もこれで十分だとしている。

 iX1500とデバイスとのWi-Fi接続は、Wi-Fiルーターなどを経由する「アクセスポイント接続モード」に加え、新たに「ダイレクト接続モード」にも対応した。アクセスポイントがない環境でも、デバイスとiX1500と直接接続してスキャンデータを取り込める。ただし、ダイレクト接続モードでは、2.4GHz帯のみ。

専用ソフトは「ScanSnap Home」に統合、「学習機能」によりファイル名やOCR抽出データの修正をアシスト

 専用ソフトは、「ScanSnap Home」として刷新。これまで、「ScanSnap Manager」「ScanSnap Organizer」「CardMinder」「ScanSnap Connect Applicatione」「ScanSnap Cloud」というように、ドライバーソフトやファイル整理・閲覧ソフト、名刺管理ソフトなど5つのソフトに分かれていた機能を、ScanSnap Homeに統合。iX1500のスキャンプロファイル設定登録をはじめ、スキャンしたデータの管理、クラウドサービスとの連携設定など、すべてScanSnap Homeで行うかたちにした。Windows/Macに対応している。

 スキャンしたデータは、「文書」「名刺」「レシート」「写真」に自動的に分類されてScanSnap Homeに取り込まれる。タグ情報を付加して、原稿種別やタグからの検索も可能だ。

 スキャンしたデータに対して、ファイル名の生成などを自動化するアシスト機能も充実している。スキャンした原稿の書式や文書タイトルのパターンを認識し、例えば「2018年10月1日」付の「見積書」のスキャンデータに対して「20181001_見積書」というファイル名を自動的に付与するものだ。平成の年号について西暦に変換してのファイル名付与にも対応する。

 適切な文書タイトルが抽出できる原稿の種別は「文書」「名刺」「レシート」で、手書き文字や装飾文字、複雑なレイアウトの原稿では適切に認識されない場合があるが、パターンを明確に判別できる書式であれば、自動ファイル名生成で対応できるパターンの数は制限されない。この機能をオフにすることも可能だ。

 さらに、自動生成されたファイル名に対してあとからユーザーが手動で修正を入れた場合、それを学習し、次回以降、そのパターンのファイル名をサジェストしてくれる機能も搭載した。5~10回の手動修正で学習効果が期待できるとしている。ファイル名の自動学習機能はPFU独自の技術によるもので、特許申請済みだという。

 ScanSnap Homeに取り込まれた原稿データは、画像データとセットで、OCR処理されたテキストデータも生成。ファイル形式(PDF/JPEG)によらず、ScanSnap Home上からテキスト全文検索が可能だ。

 OCRの対応言語は26言語で、このうち名刺のOCRは11言語に対応。ただし、デフォルトですべてインストールされているわけではなく、OCRパックをアップデートから入手してインストールする必要がある言語もある。

 OCR処理で抽出された名刺やレシートの会社名などのメタデータに対しても、ユーザーが手動で修正をした内容を学習する機能もある。過去14日間の同様の誤認識を自動修正するほか、同じような名刺やレシートをスキャンした場合に正しい内容で抽出できるようになるという。

 OCRで抽出された文字データは、文書の種別に応じて、テキストデータや、名刺であればCSV/vCard、レシートであればCSVといった形式で出力可能だ。

 なお、iX1500には「ScanSnapアカウント」のライセンスが4ユーザー分付属しており、1台のiX1500を4ユーザーで共有できる。各ユーザーはそれぞれ最大5台のデバイスにScanSnap Homeをインストールして利用可能。それ以上のユーザーでiX1500を使いたい場合のために追加ライセンスも販売する。価格は、1ライセンス9800円(税別)。Android/iOS向けには、従来と同様に「SnapScanアプリ」「SnapScan Cloudアプリ」がある。

株式会社PFUの半田清代表取締役社長(10月2日に行われた「ScanSnap iX1500」の記者発表会で)

【記事更新 17:25】
 10月2日に行われた「ScanSnap iX1500」の記者発表会の内容を踏まえて、記事本文の一部加筆・修正および写真の追加を行うとともに、新機種における変更点についての項目を一部、細分化しました。