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日本のフリーランス、仕事への熱意“ワークエンゲージメント”は国際的に見ても高い水準
フリーランス協会が「フリーランス白書2019」発表
2019年3月13日 17:00
フリーランスと会社員の仕事に対する意識や実態などを調査した「フリーランス白書2019」を、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(フリーランス協会)が公開した。その中で、仕事に対する熱意の指数である“ワークエンゲージメント”は、会社員の平均値はほかの研究結果と同等だったが、フリーランスでは国際的に見ても高いとしている。
ワークエンゲージメントとは、同白書では「仕事が複雑化しストレスが増大する社会環境において、バーンアウト(燃え尽き)の反対概念として提唱された、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態」と定義されている。これは、就業中の高い水準のエネルギーである「活力」、仕事への強い関心や誇りを表す「熱意」、仕事への集中を表す「没頭」の3つの要素で求められる。
このワークエンゲージメントはこれまで、日本は会社員・フリーランスともに他国よりも低いとされていた。しかし今回の調査により、日本のフリーランスのワークエンゲージメントは、過去に調査した数値はもとより、スペインの3点台後半からフランスの4点台後半など、他国と比べても遜色がない結果になったという。
日本における会社員のワークエンゲージメントは2.40点だが、フリーランスは4.01点だった。指標別に見ても、「職業的自己イメージの明確さ」は会社員が3.09点、フリーランスが4.01点、「主体性キャリアの形成意欲」は会社員が3.17点、フリーランスが4.06点、「キャリアの自己責任自覚」は会社員が3.62点、フリーランスが4.26点など、全ての指標においてフリーランスが会社員を上回っている。
なお、「フリーランスや副業をするといった新しい働き方を日本で選択しやすくするためには、何が必要だと思いますか?」という問いに対しては、「出産・育児・介護などのセーフティネット」(63.%)、「健康保険組合」(59.6%)、「厚生年金」(52.0%)、「労災保険」(45.9%)など、社会保障の充実を求める声が多かった。
また、最近は各社がクラウドソーシングなど、フリーランスと企業のマッチングサービスを運営している。今回の白書では、各マッチングサービスが得意とするジャンルを分類した「フリーランスマッチングサービス カオスマップ」も掲載されている。
フリーランスに対するアンケート調査は、フリーランス協会のメールマガジンとSNSで参加者を募り、2018年10月24日から12月7日までインターネットを用いて行われた。回答者は869名。また、会社員に対するアンケート調査は2018年12月22日から10月23日まで行われたもの。調査会社のマクロミルの協力で、インターネットを利用して1030名の回答が寄せられた。