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既設の電話線・同軸ケーブルをイーサネットに再利用できるVDSL2コンバーター、アライドテレシスが発売

伝送距離は最大3km、通信速度は最大300Mbps

電話線用の「AT-MMC6005」(左)、同軸ケーブル用の「AT-MMC6006」(右)

 アライドテレシス株式会社は、既設の電話線をLANケーブルとして利用できるVDSL2対応メディアコンバーター「AT-MMC6005」と、同じく同軸ケーブルを用いる「AT-MMC6006」の出荷を開始した。

 内線電話用のアナログ電話回線(RJ-11コネクタで6極2芯以上)またはアナログ監視カメラで使われている同軸ケーブル(BNCコネクタで50Ωまたは75Ω)の両端に取り付けることで、最大300Mbps(双方向)の通信が可能になる。ネットワーク構成や干渉・接続損失によるが、伝送距離は最大3km。特にAT-MMC6006は、同軸ケーブルを用いるために信号のノイズや減衰が少なく、長距離で高速な通信が期待できるとしている。主な用途として、製造現場、病院、マンションのほか、LANケーブルの新規敷設が困難なビルなどでの利用を想定している。

 具体的な利用例としては、電話と監視カメラのIP化が挙げられている。電話のIP化の場合、AT-MMC6005のLANポートにIP電話機、RJ-11コネクタには既設の電話線を接続。電話線のもう一方は、SIPサーバー側に設置されたAT-MMC6005に接続する。

 同様にアナログカメラのIP化は、AT-MMC6006のLANポートにIPカメラを、BNCコネクタには同軸ケーブルを接続。同軸ケーブルのもう一方は、IPカメラの映像を保存するサーバー側に設置されているAT-MMC6006に接続することで、監視カメラのIP化ができる。

電話回線を利用したネットワーク構築
同軸ケーブルを用いたネットワーク構築

 なお、AT-MMC6005/AT-MMC6006は、端末側もサーバー側も同じ製品を使うが、その設定はDIPスイッチで切り替える。また、対向するコンバーターのうち片方のリンクが切断された場合、もう片方のコンバーターも自動的にリンクが切断される。VLANタグやMAC情報の透過も可能だ。

 標準価格(税別)は、両モデルとも4万9800円。デリバリースタンダード保守付きは、1年が5万1600円、5年が5万7300円、7年が6万3300円。本体サイズは55×102×21mm(幅×奥行×高さ)、重量はAT-MMC6005が180g、AT-MMC6006が190g。

 このほか、SIPサーバー側/IPカメラサーバー側のAT-MMC6005/AT-MMC6006を19インチのラックに最大18台収容できるマウントキット「AT-MMCR18」が用意されている。価格は19万8000円(税別)で、受注生産となっている。