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CEATEC 2019は「超スマート社会」を目指して規模拡大、基調講演も毎日実施

ゼネコン各社や関西電力、DeNAも出展、基調講演は米MicrosoftやANA、さらには広島県も……

CEATEC 2019

 超スマート社会「Society 5.0」の実現を旗印に開催されるイベント「CEATEC 2019」に関する記者説明会が都内で開かれた。イベントの会期は2019年10月15日~18日、会場は幕張メッセ。

 CEATECは、2000年にエレクトロニクスショーとCOM JAPANの2つのイベントが統合、「CEATEC JAPAN」となってから、20周年の開催となる。そして、既報のとおり、イベント名から「Japan」を外して「CEATEC 2019」となった。

 CEATEC実施協議会 エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏はキービジュアルについて、「背景は昨年からのものだが、展示の各エリアを示す色が集まる様子を示している」と説明した。

 記者説明会の時点での見込みとしては、出展社数が750社、小間数が2,000小間以上。来場数の目標は16万人だという。

 なお、CEATEC 2019では20周年特別企画として、幕張新都心の公道で自動運転の実証実験も行うとのこと。これは、来場者の乗車も可能なもの。こちらについては別記事を参照のこと。

CEATEC実施協議会 エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏
開催規模

展示会場は1ホール増えた7ホール「大手家電メーカー」「デバイスや部品」「企画展示」が横に帯になった新構成

 展示会場は、幕張メッセの2~8ホール(計7ホール)で、昨年より1ホール増えた。

 今年の展示会レイアウトの特徴は、カテゴリーごとのエリア分けを、ホールごとの縦方向ではなく、ホールを横断する3つの帯状の横方向で分割したことだ。各エリアの帯の中央には1本の通路が通り、その左右を見ていけば、同じカテゴリーの展示を見て回れるようになっている。

 入口側ともいえる駅側には、デバイスや部品などのメーカーの「DEVICE & TECHNOLOGY」の帯が通り、いちばん海側には、大手家電メーカーなどの「TOTAL SOLUTION」のコーナーが通る。そして、その間に位置するのが、超スマート社会をイメージした「Society 5.0 TOWN」、スマートファクトリーやスマートモビリティーを中心とした「SMART X」、そして国内外のスタートアップや研究機関が集まる「Co-Creation PARK」といった企画展示が並ぶという構成。「一筆書きで回れるんじゃないかというレイアウト」というのが鹿野氏の説明だ。

展示会のレイアウト。7ホールを横断する形で3つのエリアが設けられる

「まち」を模したSociety 5.0 TOWN出展者は、大手ゼネコンからANA、JapanTaxi、SMBCグループ、DeNAまで………

Society 5.0 TOWN

 その企画展示の中央に、Society 5.0 TOWNがある。昨年のIoT TOWNに相当し、未来の「まち」として超スマート社会を表現するコーナーだ。実際に、「まち」を模した形でエリアを構成する考えだという。

 Society 5.0 TOWNは、公共・地方区画と住宅区画、オフィス・商業区画に分かれ、ITや電機のメーカーというより、建設や輸送などの生活インフラの企業が中心に集まっている。出展は24社/団体の予定。共創ゾーンも設けて、出展社の共創の促進を狙う。

 たとえばANAホールディングスは、アバターロボット(遠隔操作ロボット)によるアバター体験をデモするという。また、JapanTaxiは、タクシーデータ活用による生活の利便性・安全性の向上を目指す「JapanTaxi Data Platform」を展示するという。そのほか、清水建設、大成建設、竹中工務店、戸田建設と建設会社4社も出展。

 そのほかの出展社はSMBCグループやバンダイ、LIXIL、アクセルラボ、トレジャーデータ、関西電力、JTB、大阪ガス、東日本高速道路、そしてDeNAなど。昨年の「IoT TOWN」同様、様々な「超スマート社会」を確認できる場となりそうだ。

「まち」を模した形で展示が並ぶ
公共・地方区画と住宅区画、オフィス・商業区画がある
【Society 5.0 TOWNの出展者と「まち」の様子】
SMART Xの中の「SMART LIFE」

 企画展示としては、そのほか、スマートファクトリーやスマートライフ、スマートモビリティなどの“スマート××”を展示する「SMART X」のコーナーがある。その中の「SMART LIFE」では、シャープとYKK APによる住宅ソリューションが展示されるという。

国内外のスタートアップや研究機関が集まるCo-Creation PARK

Co-Creation PARK

 企画展示の一貫として、昨年に引き続き「Co-Creation PARK」も設けられる。昨年は海外スタートアップが展示するコーナーだったが、今年は日本・国内外かかわりなくスタートアップや研究機関が集まる場所とする。

 海外のスタートアップ企業および諸機関は、Co-Creation PARKの「Global Pavilion」ゾーンに集まる。昨年の米国とインドに加え、新たに、ロシア、スイス、フィンランドの3か国から出展する。

 また、「Startup & University」として、国内外の設立9年以下のスタートアップ企業および大学・教育機関が展示するエリアも設けられる。

 こうした国内外の出展者に、展示だけでなく独自の特徴などをステージで語ってもらおうという意図で「Co-Creatio PARK Stage」を設ける。また、ブースが小さくデモできないという出展者には、デモのためのスペースとして「Open Innovation Demo Booth」も設ける。

 「日本と海外のみなさんが共創して作りあげるところにしてほしい」と鹿野氏は語った。

学生交流ラウンジも新設、CEATEC Student Lounge

CEATEC Student Lounge(学生交流ラウンジ)

 新たな試みとして、「CEATEC Student Lounge(学生交流ラウンジ)」のコーナーも設ける。昨年の来場者の中に学生が7500名いたことから企画された、学生のためだけのエリアだという。

 鹿野氏の説明によると、「学生の方に集まっていただき、企業のトップの方に目の前で講演してもらう、あるいは先輩と交流する、または企業と話していただく、といったことを考えている」という。

 CEATEC公式サイトでは、既にセッションの予定が告知されており、例えば10月15日には「学生&トップ対談『未来の創り方~Society5.0における基幹産業・半導体』」として、ソニー株式会社 主席技監 技術渉外担当の上田 康弘 氏が講演を行うという。

基調講演は4日間連続、米MicrosoftにANA、JTB、JapanTaxiなど多数……

基調講演
パネルディスカッションのCEATEC SUMMIT

 また、今年は基調講演を4日間にわたって開催するのも特徴だ。

 初日はオープニングセレモニーを兼ねた20周年記念特別基調講演として、米MicrosoftのNick Parker氏、Henry Sanders氏、Rodney Clark氏の3人による講演が行われる。

 そのほか、ANAホールディングス株式会社 代表取締役社長の片野坂真哉氏や、JapanTaxi株式会社 代表取締役社長の川鍋一朗氏、筑波大学 准教授の落合陽一氏など、さまざまな基調講演が行われる

 18日の基調講演では、広島県知事の湯﨑英彦氏も登壇する。CEATEC実施協議会 ディレクターの吉田俊氏は、「これまで地方自治体は企業誘致などで興味をお持ちいただくことが多かった。しかし最近では、地域のイノベーションのためにに企業とパートナーシップを組んだり、サンドボックスの仕組みを活用してもらいたいと働きかけたりする自治体も増えている。今回の広島県はその象徴的な形になると思う」と説明した。

 講演としては、パネルディスカッションの「CEATEC SUMMIT」も開かれる。16日には「5Gスペシャルデー」として、キャリア4社や総務省からの登壇者が意見を交わする。17日には「AI Summit」として、アマゾンジャパンと東芝、フィリップス・ジャパンという、切り口のちがう企業が登壇する。18日には「Mobility Summit」として、SBドライブ株式会社や、ドローンのスタートアップであるエアロネクスト株式会社の登壇者が集まる。

 これらの基調講演やセッション、コンファレンスについては、すでにその多くが告知されており、聴講予約も可能な状態だ。

CEATEC AWARD 2019も表彰

CEATEC AWARD 2019

 会期中には、CEATEC 2019に展示される技術・製品・サービスの中から、出展者が事前に応募したものについて審査・選考し表彰する「CEATEC AWARD 2019」も決まり、表彰式が行われる。

 選ばれるのは、総理大臣賞が1点、経済産業大臣賞が1点、各部門賞、特別賞。発表は10月14日。大臣賞の表彰式が10月15日に、部門賞と特別賞の表彰式が16日行われる。

 記者説明会の時点で募集は締め切っており、120件以上の応募があるという。