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「CEATEC 2019」の概要発表、更なる国際化を目指し「CEATEC JAPAN」から「CEATEC」に

超スマート社会を表現する「Town」エリアも拡大、スタートアップ向けの施策も

「CEATEC JAPAN」は今年で20周年。それを機に20周年ロゴを作成し、名称も「CEATEC」へと変更された

 超スマート社会の旗手となる展示会「CEATEC」の説明会が東京都内で開催、今年10月に「CEATEC JAPAN」改め「CEATEC 2019」として開催されることが発表された。

 会場では、更なる国際化を目指して名称を変更したことや、超スマート社会を表現する企画展示をさらに拡大、「Society 5.0 Town」として展開することや、スタートアップ向けの支援策を拡充することなどが説明された。

 発表を行ったのは、一般社団法人電子情報技術産業協会、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会、一般社団法人コンピュータソフトウェア協会の3団体で構成するCEATEC実施協議会。

 CEATEC 2019の開催期日は、2019年10月15日から18日の4日間で、会場は幕張メッセ。入場は無料。出展受付は2019年2月19日午前10時より開始となる。

「世界に向けた展示会」を目指して名称変更「”JAPAN”に頼るのではなく、グローバルに認知を高めたい」

CEATECは2000年に開始して今年2019年で20回目。2016年にCPS/IoTエキシビションへと舵を切って4年目となる
CEATEC 2019は、2019年10月15日~18日の4日間、幕張メッセで開催

 説明会では、CEATEC運営事務局事務局長の菊嶋隆史氏によって開催テーマや開催概要などが説明された。

 2000年より開催されてきた「CEATEC JAPAN」は、2016年より最先端ITエレクトロニクス総合展から、CPS/IoTエキシビションへと舵を切り、IoTを軸にテクノロジー、サービス、ソリューションが社会課題や社会貢献に寄与できるのかを示す場となった。これによって、過去のCEATEC JAPANでは縁のなかった企業の参加が増えるとともに、豊富で厚みのある情報を提供できるようになったと菊嶋氏は指摘する。

 そのうえで、CEATEC開催20回目を迎える今年は、20周年ロゴを作成するとともに、名称も「CEATEC JAPAN」から「CEATEC」に変更すると発表した。名称変更について菊嶋氏は、「”JAPAN”に頼るのではなく、グローバルに認知を高める必要性がある。世界の多くの展示会では名称に国名が入っているものはほとんどない」と述べつつ、日本だけではなく世界に向けた展示会へと発展させるため、とその理由を説明した。

CEATEC 2019の開催テーマは、2016年以来4年連続となる「つながる社会、共創する未来(Connection Society, Co-Creating the Future)」

 CEATEC 2019は、あらゆる産業、業種によるCPS/IoTと、共創をテーマとしたビジネス創出のための、人、技術、情報が一堂に会する場として、経済発展と社会課題の解決を両立する超スマート社会”Society 5.0”の実現を目指す総合展示会として位置付けられる。

 開催テーマは、2016年以来4年連続となる「つながる社会、共創する未来(Connection Society, Co-Creating the Future)」。政策、産業、技術、海外の連携を促し、共創による未来を発信する場となる。

 また、特定の産業だけの展示会ではなく、あらゆる産業、業種が集結し共創することで社会課題の解決を目指す展示会であるとし、最新の取り組みや新産業の始まりを感じさせる未来に向けた総合展として開催したいという。そして、通常の商談会を超え、テクノロジーを披露する場からテクノロジーを活用した社会・暮らしを提案する場として、また直近のビジネス拡大を目指す場から未来への種を披露・発信したり糧を得る場として位置付けたいとする。

あらゆる産業、業種によるCPS/IoTと、共創をテーマとしたビジネス創出のための、人、技術、情報が一堂に会する場として、経済発展と社会課題の解決を両立する超スマート社会”Society 5.0”の実現を目指す総合展示会として位置付けられる
通常の商談会を超え、テクノロジーを活用した社会・暮らしを提案する場、未来への種を披露・発信したり糧を得る場として位置付けたいとする

超スマート社会を実現する「Society 5.0 Town」エリアとスタートアップや大学、海外出展者を統合する「Co-Creation PARK」エリア

会場は、企業/団体展示と企画展示の、2つのカテゴリーに分けられ、企業団体展示3エリア、企画展示2エリアの全5エリアで構成

 会場は、企業/団体展示と企画展示の、2つのカテゴリーに分けられ、企業団体展示3エリア、企画展示2エリアの全5エリアで構成される。

 まず、企画展示では、サービス産業を中心とした複数の企業の共創による”Society 5.0”を実現する2030年の街をテーマとした「Society 5.0 Town」と、従来までの「スタートアップ&ユニバーシティエリア」と海外パビリオンエリアを統合し、国内外の垣根を外し、未来を担う国内外のスタートアップ企業や大学・教育機関、海外諸機関のパビリオンを複合的に構成する「Co-Creation PARK」の2エリアを用意。

 「Society 5.0 Town」は、昨年まで「IoT Town」エリアとして展開されていたものの拡大版、という位置づけで、出展する企業の例は流通や小売り、観光・エンタメ、運輸、メディア、エネルギー、医療・ヘルスケア、教育、建設、金融など。

 また、Co-Creation PARKでは、エリア限定のネットワークイベントや、出展社が共通で利用できるプレゼンテーションステージ、ミーティングスペースの設置などのサポートも行われるという。

企画展示では、「Society 5.0 Town」と「Co-Creation PARK」の2つのエリアが用意される
「Society 5.0 Town」は、サービス産業を中心とした複数の企業の共創による”Society 5.0”を実現する2030年の街をテーマとした展示が行われる
「Co-Creation PARK」では、、未来を担う国内外のスタートアップ企業や大学・教育機関、海外諸機関のパビリオンを複合的に構成する
シリコンバレー発「大企業 」×「スタートアップ」のイノベーションプラットフォーム「PLUG AND PLAY JAPAN」によるスタートアップ向けのサポートも行われる
企業/団体展示では、展示内容に応じて「トータルソリューション」、「スマートX」、「デバイス・テクノロジー」の3つのエリアを用意

 また、企業/団体展示は、企業や団体が単独で自社のブランドやサービス、製品訴求を行う出展エリアとなる。

 エリア分けは、Society 5.0の実現に向けたあらゆるソリューションや製品全般を展開する「トータルソリューション」、特定の産業を革新的に変革するソリューションや製品を展開する「スマートX」、Society 5.0の実現を支える電子部品やデバイス、ソフトウェアなどのテクノロジーを展開する「デバイス・テクノロジー」の3つとなる。

キーノートスピーチは大型化、学生などの人材育成企画や交流施策も強化へ

CEATEC 2019では、開催期間の4日間連続で1,000人規模のキーノートスピーチを15セッション開催予定
9月頃に報道関係者との交流会を実施するとともに、CEATEC 2019開催前日の10月14日にメディアコンベンション、開催初日の10月15日にオープニングレセプションを開催
CEATEC AWARDの拡充も検討しているというという

 キーノートスピーチは、開催期間中の4日間連続で、1,000人規模のキーノートスピーチを15セッション開催する計画。詳細は7月に発表されるが、1,000人規模が4セッション、500人規模が14セッションだった昨年よりも大きな規模感のものを目指すようだ。

 また、2019年9月頃に報道関係者との交流会を実施するとともに、CEATEC 2019開催前日の10月14日にメディアコンベンション、開催初日の10月15日にオープニングレセプションを開催。さらに、展示される技術、製品、サービスなどを対象として、学術的、技術的観点や将来性、市場性などの視点からイノベーション性が高く優れていると評価されるものを表彰する「CEATEC AWARD」のさらなる拡充も検討しているという。

 この他、モビリティとスマートホームで企画展示を計画するとともに、今後の課題となってくるIoT人材の育成への取り組みとして、学生を中心とした人材育成の企画も実施する予定だ。

ローソン 宮田氏が登壇、「出展の成果」を語る

2018年のCEATEC JAPANに初出展したローソンの出展経緯などを説明する、株式会社ローソンの経営戦略本部 オープン・イノベーションセンター ローソンデジタルイノベーション マネージャーの宮田尚武氏
ローソンがどういった未来を目指しているのか、そのビジョンを示すとともに、その未来のビジョンを共に作っていけるパートナーを見つけるため、CEATEC JAPANに出展

 ところで、今回の説明会では、昨年(2018年)のCEATEC JAPANに初出展した株式会社ローソンの経営戦略本部 オープン・イノベーションセンター ローソンデジタルイノベーション マネージャーの宮田尚武氏が登壇し、CEATEC出展の経緯や、出展による成果を説明した。

 ローソンがCEATEC JAPANに出展したのは、ローソンがどういった未来を目指しているのか、そのビジョンを示すとともに、その未来のビジョンを共に作っていけるパートナーを見つけるためだったという。展示ブースを設置するとともに、キーノートスピーチも2つ実施し、いずれも非常に好評だったとのことで、展示内容についてCEATEC AWARDの審査員特別賞も受賞している。

 そして、出展したことによって、多くのメディア露出によって約10億円の宣伝効果が得られたこと、40社超の新規社外コネクションができたこと、社内のモチベーションが上がったことなどを、出展の成果として説明した。

展示ブースやキーノートスピーチは非常に好調だったとのことで、展示内容についてはCEATEC AWARD審査員特別賞を受賞
出展によって、多くのメディア露出による約10億円の宣伝効果が得られたこと、40社超の新規社外コネクションができたこと、社内のモチベーションが上がったことなどを出展の成果として説明

 この他、CEATEC 2019での大きな話題のひとつとなる「第5世代移動通信システム(5G)」に関連し、総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課 課長補佐の中川拓哉氏が登壇し、5Gの政策面での進捗状況を説明。また、スマートハウスやスマートホームなどへの取り組みについて、経済産業省 商務情報政策局 情報産業課 課長補佐の渡辺琢也氏が説明した。

5Gに関する政策の進捗状況を説明する、総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課 課長補佐の中川拓哉氏
スマートハウスやスマートホームなどへの取り組みについて説明する、経済産業省 商務情報政策局 情報産業課 課長補佐の渡辺琢也氏

 CEATEC 2019の出展者募集は、2月19日午前10時から受付を開始。4月26日には優先申し込みを締め切る。それ以降は、小間が埋まり次第、受付を終了する(詳細はCEATEC公式サイトを参照のこと)。

 なお、同様の開催概要説明会は、2月8日に大阪・北梅田のグランフロント大阪でも開催される予定だ。