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AtCoderが「アルゴリズム実技検定」開始、プログラミングスキルを数値化

「アルゴリズム実技検定」のウェブサイト

 競技プログラミングコンテストサイトを運営するAtCoder株式会社は、プログラミングスキルを数値化する検定「アルゴリズム実技検定」を実施すると発表した。第1回の試験は12月14日に実施され、オンラインでの受験となる。受験費用(税込)は、一般が8800円、団体受験が30人以上で1人7040円、100人以上で1人6160円。申し込みは11月下旬から受け付ける。

 アルゴリズム実技検定の特徴は、「知識型ではない」「受験者が得意なプログラミング言語を選べる」「アルゴリズムの実力を測る」の3つだ。

 一般的な検定は、解答が選択肢が中心のため、過去の試験問題を解いて覚えて合格することも可能だった。しかし、アルゴリズム実技検定は、得意なプログラミング言語を選択し、問題の文章を読みプログラムを書くため、実践に近いかたちになっている。

 例えば、N人の旅行は電車を使うと1人あたりA円、タクシーを使うとN人でB円などという条件で、安いのはどちらか――といったようなサンプル問題が、同検定のウェブサイトには掲載されている。さらに進むと、変数が増え、乗数も加わり、難易度が高くなっていく。

「アルゴリズム実技検定」のサンプル問題の1つ

 また、一般的な検定は、合格か不合格で判断しているが、アルゴリズム実技検定は、点数により5つのランクを付けるという方式をとっている。例えば、90点から100点の受験者は「エキスパート」、35点から39点は「エントリー」などだ。

点数によるランク付け。24点まではランクなし、25点から39点は「エントリー」、90点から100点は「エキスパート」のランクが付けられる

 AtCoderは、IT人材の確保について、「企業は高いプログラミングスキルを持つ“高度IT人材”の確保に乗り出しているものの、プログラミングスキルを把握する方法がなく、求職者と企業間で採用のミスマッチ問題も発生している」と指摘。そのため、AtCoderでは「本検定を通じてIT人材のプログラミングスキルを測る“基準”をつくることで、日本における高度IT人材不足の解消、ならびに高度IT人材活躍の機会創出を図っていく」としている。