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「会計freee」がサービス改定、個人事業主向けは基本料金の値上げなど、法人向けでは下位プランの提供機能を見直し

 freee株式会社は、クラウド会計ソフトサービス「会計freee」において、料金の改定や、各プランで提供する機能の変更を実施する。個人事業主向けプランで5月1日から、法人向けプランで2月3日から。会計freeeのほか、同社と契約して提供されている「大分銀行 with 会計freee」「会計freee for 中国銀行」「LINE店舗経理」の各サービスが対象。

個人事業主向けは基本料金を値上げ、メンバー追加料金を値下げ

 今回の改定により、個人事業主向けサービスの基本料金(税別)は、「スターター」プランでは月額払いが980円から1180円に、年額払いが9800円から1万1760円に、「スタンダード」では月額払いが1980円から2380円に、年額払いが1万9800円から2万3760円に、それぞれ値上げ。「プレミアム」は年額払いのみで、3万9800円で据え置き。

 一方、メンバーの追加料金(税別)は値下げされる。スタンダードは4人目以降、追加メンバー1人あたり月額360円が300円に、年額3600円が3000円に、プレミアムでは同じく年額3600円が3000円に値下げされる。なお、スターターではfreee認定アドバイザー以外のメンバー追加はできない。

 iOS版アプリ(App Store)から会計freeeを契約している場合の基本料金(税込)は、スターターでは月額払いが1080円から1300円に、年額払いが1万800円から1万2800円に、スタンダードでは月額払いが2200円から2600円に、年額払いが2万1800円から2万6800円に、それぞれ値上げされる。

 なお、年額払いを契約しているユーザーは、次回、契約が更新されるまで差額の支払いなどは必要ない。また、現在、月額払いで契約しているユーザーが、料金が改定される前に年額払いに切り替えると、1年間は値上げ前の旧料金で会計freeeを利用できる。

「会計freee」の個人向けサービスのスケジュール

法人向け「ベーシック」プランはメンバー追加が無制限に、一方で一部機能を削除

 法人向けサービスは、基本料金(税別)に変更はない。年額払いの場合、「ミニマム」プランが1カ月あたり1980円、「ベーシック」が同3980円、「プロフェッショナル」が同3万9800円。「エンタプーライズ」は要問い合わせ。

「会計freee」の法人向けプランと主な機能

 このうちベーシックプランは、利用登録できるメンバーの上限がこれまで20人だったが、この制限を撤廃する。freeeではその理由について、経費精算での利用を挙げている。これまで20人を超える社員が会計freeeにて経費精算を行う場合、プロフェッショナルプランを契約する必要があったが、これがベーシックプランでも可能となる。

 その一方で、ベーシックプランでは、これまで提供されていた機能のうち、「ジャパンネット銀行ワンタイム口座」「仮締め」「仕訳承認」「配賦ルールの設定」「配賦基準の設定」「配賦仕訳の絞り込み(各種レポート)」の各機能が2月3日以降は提供されなくなり、上位プランであるプロフェッショナル以上のみの機能となる。

 「試算表」については、新たなベーシックプランでも6部門以上の設定は可能だが、6部門以上の試算表の一括エクスポートはできなくなる。また、設定できる「カスタム権限」が、これまで無制限だったのが、2個までになる。

 ベーシックプランの既存ユーザーは、配賦ルール、配賦基準、3個以上のカスタム権限について、新規のルール・設定追加ができなくなるわけだが、例外として、サービス改定前にこれらの機能で作成したルール・設定は2月3日以降も利用でき、編集・削除も可能だ。

 また、freeeが認定した会計事務所の認定アドバイザーは、ベーシックプランでも引き続き、「仮締め」「仕訳承認」「配賦ルールの設定」「配賦基準の設定」「配賦仕訳の絞り込み(各種レポート)」の各機能を利用できるほか、3個以上のカスタム権限も作成可能だ。この認定アドバイザーは、会計freeeを導入している企業の顧問会計士の利用が想定されている。

 なお、ベーシックプランで変更されるこれらの機能をすでに3カ月以上使っているユーザーには、追加料金なしで3カ月間、プロフェッショナルプランの機能を一時的に付与するとしており、その間に経理業務への影響を検討・対応できるようにする。

 このほか、ミニマムプランでは、年齢表の機能が提供されなくなる。

 freeeでは、「弊社プロダクトが新しい機能を随時追加、改善していくなかで、各プランの価格とそのプランで提供する機能価値にズレが生じていると判断し、今回、プラン内容の変更を行うことを決断した」としている。