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オンライン飲みの新形態?「蔵元と生中継」「リアル店舗飲み」もある「焼酎の会」が14日開催
オンライン参加の申し込みは7月1日まで、6名限定
2020年6月30日 06:15
新型コロナウイルスの影響で、営業自粛を余儀なくされた飲食店や居酒屋が、少しずつ再開しはじめている。だが、多くの店に共通しているのが、以前のような形態での営業が難しいという点だ。
客同士の間に新たに仕切りを設けたり、ソーシャルディスタンスを取った環境で営業を行う飲食店も多い。
そうしたなか、東京・新橋の居酒屋が、オンラインとオフラインをいいとこ取りした「リアル・オンライン 焼酎の会」を、2020年7月14日に開催する。居酒屋の新たな営業手法としても注目を集めそうだ。
新橋の居酒屋「焼酎薬味隠れ家 陽」が実施
「リアル・オンライン 焼酎の会」を開催するのは、JR新橋駅烏森口から徒歩1分の場所にある「焼酎楽味隠れ家 陽」。
実は、同店の女将は、日本マイクロソフトやアドビシステムズなどで広報、マーケティングに長年関わってきた仮谷 陽(かりたに よう)さん。モノづくりの楽しさを語り合い、「飲みにケーション」の大切さを形にする空間を提供したいという夢を叶えるため、2010年にオープン。IT業界やエレクトロニクス業界の常連客も多い店だ。
オンライン、あるいはリアルで参加可能オンライン参加者には、焼酎とつまみが事前に送付
今回開催する「リアル・オンライン焼酎の会」は、オンラインとリアルのいずれかで参加できるもので、どちらの参加形態でも楽しむことができるイベント型の飲み会だ。
開催当日は、焼酎の蔵元と生中継で結び、店内の大型モニターを通じて、蔵元の土地の風景、蔵や貯蔵庫などを紹介。杜氏から、蔵の歴史や焼酎造りへの想いなどを、直接聞くことができる貴重な機会となる。
「オンラインで結んだ蔵元の杜氏と一緒に乾杯したり、質問をしたりといったこともできる。会話を通じて、焼酎の美味しい飲み方も教えもらえる」とする。
リアルな店舗での参加の場合、手元には、蔵元から提供される3種類の焼酎と、土地の食材を使った料理やつまみが用意される。
一方、オンラインでの参加者は、事前に申し込むことで参加できる。
申し込みフォームに住所などを記載すると、開催当日までに、6種類の焼酎(各120~150ml)と、おつまみセット、女将のおつまみレシピが送られる。これをPCの前に並べて、Zoomで参加することができ、画面ごしに、蔵元の杜氏と話をしたり、女将と話したりといったことができる。
仮谷さんは、「リアル参加者からからオンライン参加者へ、オンライン参加者からリアル参加者へ、オンライン参加者からオンライン参加者へと、あらゆる方向性のコミュニケーションが取れる、新たな形のアットホームな会にしたい」とする。
参加する焼酎の蔵元は、鹿児島喜界島の朝日酒造と、鹿児島霧島市の中村酒造場。
朝日酒造は、創業100年を越える最古の歴史と伝統を誇る蔵元で、黒糖焼酎の「朝日」が有名だ。また、中村酒造場は、1888年に創業した蔵元で、「なかむら」、「玉露」といった芋焼酎で知られる。
事前予約制、店舗は14人、オンラインは6人締め切りは7月1日
参加費用は、店舗へのリアル参加の場合は、お通し+女将おまかせ料理で1人3000円。飲み物は別途料金がかかる。オンラインでの参加は、6種類の焼酎やおつまみセット、女将のおつまみレシピなどで1人8000円。送料が別途かかる。
いずれの参加の場合も、電話(03-3578-3244)での予約が必要。リアルの場合は、定員が14人で、7月13日まで。オンラインでの参加は、6人が定員で、7月1日が締め切りとなっている。満席になり次第、受付を終了する。
開催日時は、7月14日午後6時30分~午後10時30分まで。午後7時頃から朝日酒造による紹介が行われ、午後8時頃から中村酒造による紹介を行い、午後9時過ぎから、おしゃべりタイムを予定している。
「焼酎楽味隠れ家 陽」の住所は、東京都港区新橋 3-21-10 ORUBASビル2階。
焼酎ファンのためのイベントオンラインのメリット生かす
仮谷さんは、本格焼酎や泡盛、日本酒、梅酒の深さと美味しさに惹かれ、焼酎ソムリエや、日本酒利酒師を取得。店内には、85種類のこだわりの焼酎と、日本酒を揃えている。
これまでにも、蔵元や杜氏を店舗に招き、直接、話しをしながら、焼酎と料理を楽しむ「焼酎の会」を開催してきたが、これをベースに、今回の会を企画した。
「新型コロナウイルスの影響により、国内の移動も気兼ねなくできる状態にはなく、焼酎の蔵元が多い九州から、焼酎の会に、杜氏を招くことが難しい状況が続いている。また、テレワークによる在宅勤務を行っているお客様も多く、新橋の店には参加しにくいという声もある。オンラインとオフラインのいいとこ取りをすることで、今回の会を開催した。全国から参加することも可能になる。焼酎ファンのためのイベントにしたい」と語る。
厳しい環境にある飲食業界だが、デジタルを活用し、オンラインならではのメリットを生かした新たな提案のひとつになるかもしれない。