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無料で使える「住所マスターデータ」公開、表記統一や緯度経度への変換に活用可能
全国の町丁目レベル18万9540件の住所データを記録
2020年8月20日 11:55
株式会社Geoloniaと一般社団法人不動産テック協会は、日本全国の町丁目レベル18万9540件の住所データと代表点の緯度経度のデータなどが記録された「Geolonia 住所データ」をオープンデータとして公開した。CC BY 4.0ライセンスで提供されており、誰でも無料で利用できる。主に住所表記の統一化と、緯度経度から住所またはその逆の変換に利用できるとしている。
Geolonia 住所データは、都道府県、市区町村名、大字町丁目名が記録してあり、それぞれコード、フリガナ、ローマ字表記、代表点の緯度経度などが記されている。ファイルフォーマットはCSV。
日本の住所は、例えば京都における「大和大路通正面下る大和大路2」のように、一般的な表記とは異なる通り名を用いた住所もあったり、「3丁目」と「三丁目」のように数字と漢字が混在したりすることもある。このように日本の住所にははっきりとしたルールがないため、コンピューターで扱うのが難しい。
この点を補う方法として、町丁目まで網羅されている住所マスターデータを利用するという方法があるが、一般的な住所マスターデータを利用するには数百万円ものコストがかかるという。また、Google マップを利用するという方法もあるが、ストレージへの保存ができない、ほかの地図への再利用が禁止されているなど制約が多い。
こうした状況を受け、Geoloniaと不動産テック協会が今回、Geolonia 住所データを公開。個人や中小企業での利用が難しかった住所マスターデータが無償で利用できるようになる。
更新頻度が月単位というのも特徴だ。Geolonia 住所データのベースとなっているのは、国土交通省が公開している「大字・町丁目レベル位置参照情報」だが、更新は1年に1回だ。これを補うかたちで、日本郵便の郵便番号データも参照し、Geolonia 住所データのペースは毎月更新するとしている。
なお、Geolonia 住所データは、Geoloniaと不動産テック協会が進めている「不動産ID」を実現させるために作成したデータだ。現在、不動産の管理は住所や物件名を用いて行っているが、前述のように住所は表記揺れが多く、住所で管理するにも限界がある。そのため、重複のない不動産IDを付与。その際に、住所マスターデータが必要になり、Geolonia 住所データを作成したという。