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日本人の「真面目」ぶりが明らかに、オンライン会議の「こっそり退席」は調査国中で最少
ユニフォアがオンライン会議の実態を調査
2021年9月2日 11:15
米ユニフォアが、世界10カ国を対象に実施したオンライン会議(ビデオ通話、Web会議)に関する実態調査で、日本の利用者の「真面目ぶり」が浮き彫りになった。
同調査は、日本のほか、米国、オーストラリア、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、アラブ首長国連邦、ベトナムの10カ国を対象に実施したもので、オンライン会議は、参加率が高まるなどの明確なメリットがあることや、ビデオを活用することで親近感がわいたり、効果的なコミュニケーションが行えるとする人が多いことなどが明らかになっている。
日本人がオンライン会議中にする「内職」第1位はトイレ
この調査のなかでユニークな結果は、多くの人がオンライン会議中に個人的な「内職」をしていることに加えて、各国ごとにその内容に差があることだ。
日本の利用者では、オンイラン会議中に行っている活動として最も多いのが、「トイレに行く」で48%となった。これがトップになったのは日本だけで、仕方がない場合もある項目だといえるだろう。
また、日本を対象にした結果では、2位には、「部屋の掃除」の29%、そして3位は「YouTube視聴や動画ストリーミング」の26%、4位は「ソーシャルメディア/オンラインニュースを読む」の21%、「着替え」の19%となった。
部屋の掃除をしている人が3割いたり、動画を見ている人が4人に1人いたりという結果に驚く人がいるかもしれないが、世界的にみると、日本は少ない結果になっている。
たとえば、「部屋の掃除」では、フィリピンでは44%、ベトナムで42%と4割以上の人が行っていたり、「YouTube視聴や動画ストリーミング」では、フィリピンが63%、シンガポールでは50%、米国でも47%を占めており、動画視聴でも日本が圧倒的に少ない結果が出ている。
「接続不良を装って、ビデオ会議を退席する」は7.5%、10か国で最も少ない結果に
また、「ソーシャルメディア/オンラインニュースを読む」という人も、日本では5人に1人の割合だが、フィリピンでは53%、マレーシアでは52%、インドネシアでは48%、シンガポールでは43%に達している。インド、UAE、ベトナム、オーストラリア、米国も30%台となっている。これも日本が圧倒的に少ない結果だ。
さらに、「接続不良を装って、ビデオ会議を退席する」という回答は、日本では7.5%と唯一、1桁台に留まっているが、フィリピンでは27.9%と世界中で最も多かったほか、オーストラリア、マレーシア、インドも25%前後となり、最も少ないUAEでも14.0%と、日本の2倍の数値になっている。
こうした数字からも、日本のオンライン会議の利用者は、真面目に参加していると見ることができるだろう。
オンライン会議改善に向け自動化やAIツールの活用を望む声も
一方、今回の調査では、日本の利用者の47%が、過去数年に比べてオンライン会議に費やした時間が大幅に増加したと回答。また、オンライン会議を行う際に嫌いな要素は、「カメラに映った自分自身を見ること」が39%、「オンライン会議は音声通話よりも疲れる」と感じている人が36%を占めていることがかわった。また、24%が「ビデオ通話のために準備をする」ことが嫌だと答えたほか、オンライン会議は31%が「やる気やモチベーションに欠ける」、26%が「相手が参加しているかどうかが分からない」と回答している。
さらに、今回の調査では、オンライン会議におけるAIの活用についても調査しており、オンライン会議を、効果的で、楽しいものにするためにAIが求められていることがわかったという。
これによると、日本の回答者の70%が、オンライン会議を改善するために自動化することや、AIツールを使うことに前向きであると回答。「日本の利用者は、会議の経験を改善するためにAIを受け入れる準備ができている」と分析している。
調査では、AIを活用することで、「他の参加者とのより深いつながりを築くこと」を期待している人が34%、AIが「相手との関わり方のヒントを提供すること」に期待している人が29%、「健康問題を、より迅速に診断すること」とする人が18%に達している。
米ユニフォアのウメッシュ・サチデブCEOは、「パンデミックが始まって以来、プライベートでも、仕事でも、ビデオを使った会話が広く採用されるようになっているが、バーチャルでの会話を、対面での会話と同じようにシームレスで効果的なものにするためには、まだまだ課題があることが、今回の調査で明らかになった」と総括。「人と人とのより高度な理解を深めるために、さらなるツールや機能が必要である。AIと自動化技術を通じて、企業やビジネスリーダーは、自社の顧客により良い体験を提供し、これまで見逃していた非言語的な合図を拾い上げ、解読可能で実用的なデータを使って、洞察を提供することができるようになる」とした。