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Starlinkの衛星回線を使った「山小屋Wi-Fi」、KDDIらが長野県白馬村で提供開始

白馬村 八方池山荘

 KDDI株式会社と株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)は5月29日、衛星インターネット「Starlink」を活用した「山小屋Wi-Fi」の提供、長野県北安曇郡白馬村の「八方池山荘」で開始した。利用料金は780円/24時間で、auユーザーは無料で利用可能。

 山小屋Wi-Fiは、KDDIとWi2が株式会社ヤマップと協力して、電波の届きにくい山小屋の通信環境の改善を図るために、2023年の夏以降に提供予定のサービス。白馬村では先行提供のかたちとなる。八方池山荘は、一般財団法人白馬村振興公社が運営する。

 KDDIでは、au通信網のバックホール回線として、2022年12月よりStarlinkを使用している。山小屋を含む登山道は、地形や積雪などの理由で通信環境の整備が困難とされるエリアが多数存在し、緊急時の連絡が難しいなどの課題がある。Stalinkを使うことで光ファイバーなどの回線の敷設が不要になるため、これまで通信環境の整備が困難だった山小屋でも安定した通信が可能になるという。

 これにより、山小屋の利用者は家族や友人との安否連絡や、気象情報の確認、SNSへの投稿などが気軽にできるようになる。また、山小屋のオーナーにとっては、キャッシュレス決済の導入や宿泊予約、防災情報や自然災害の情報収集など、デジタル活用による業務効率化が見込めるとしている。

山小屋Wi-Fiのイメージ

 白馬村の丸山俊郎氏(村長 兼 白馬村振興公社代表理事)は、本サービスの提供開始に際して、「登山は白馬を支える重要な観光資源の1つであり、初心者から経験豊富な登山者までが訪れ、それを支えているのが山小屋の存在だ。山小屋の通信環境を整える本サービスは、登山者やそこで働く人にとっても非常に価値のあるものであり、山小屋のさらなる安全面や快適性を高めることにつながる」とコメントしている。

 KDDI、Wi2、ヤマップ、白馬村振興公社の4者は、順次サービスを利用できる山小屋を拡大していくほか、Starlinkを活用した山小屋Wi-Fiの提供による山小屋の通信環境を整える活動を通じて、登山・アウトドア分野におけるデジタル化を推進していくとしている。

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