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秩父の土砂災害地域にドローンによる物資支援、通信の問題を「Starlink」の衛星通信で解決

ゼンリン、KDDIら8者が連携

ドローン定期配送 概要図

 埼玉県秩父市と株式会社ゼンリン、KDDI株式会社、KDDIスマートドローン株式会社は、2022年9月に発生した土砂崩落の影響が続く埼玉県秩父市の中津川地内で、衛生インターネット「Starlink」を活用したモバイル通信のもと、ドローンによる食品や日用品、医薬品などの定期配送を開始した。期間は1月26日から3月末までで、週1回の配送を行う。

 この取り組みは、2022年10月に秩父市とゼンリンが締結した「緊急物資輸送に関する連携協定」のもと、土砂崩落により物流が寸断された秩父市中津川地内の住民への生活支援を目的としている。株式会社エアロネクスト、生活協同組合コープみらい、株式会社ちちぶ観光機構、ウエルシア薬局株式会社も連携し、食品や日用品などを配送していく。

組織図

 現在、中津川地内へアクセスするには一部の緊急車両のみ通行が許可されている森林管理道金山志賀坂線を使う必要がある。しかし、冬季は降雪や凍結により、通行が非常に困難だという。

 また、地形の特性上、モバイル通信が不安定な環境なことから、Starlinkを活用してドローンの遠隔飛行による物資の配送を実施することとなった。

システム構成のイメージ

 Starlinkを用いてKDDIが開発したソリューション「Satellite Mobile Link」により、映像を用いたドローンの遠隔制御を可能にしている。また、KDDIスマートドローンが開発した「スマートドローンツールズ」の運航管理システムと、エアロネクストと株式会社ACSLが活溌した物流専用ドローン「AirTruck」を組み合わせることにより、遠隔制御によるドローンの飛行、離発着、荷下ろしを可能とした。

AirTruck

配送フローは以下の通り。
(1)住民は、電話などで事前に商品を注文。
(2)コープみらい・ウエルシア秩父影森店、ファミリーマート道の駅大滝温泉店が、注文商品をピックアップ。
(3)各社トラックで道の駅大滝温泉まで配送。
(4)ちちぶ観光機構が、各社の注文品を個人ボックスごとに箱詰め。
(5)注文商品をドローン離陸地点まで配送。
(6)注文商品をドローンで配送。
(7)中津川地内の区長が注文商品を受け取り、各世帯まで商品を配送。

配送手順

 今回の取り組みを通し、中山間地帯や災害時においてもドローンによる配送を実現可能とするソリューション構築をしていくとともに、全国に向けてドローン配送の社会実装を目指していくとしている。