ニュース

読売新聞とLINEヤフーが共同声明を発表、インターネット上の記事におけるプライバシー尊重のため

両者のサービスにおける具体策も提示

 株式会社読売新聞グループ本社とLINEヤフー株式会社は10月5日、インターネット上に掲載される記事やSNSなどにおけるプライバシー尊重を進める共同声明と、そのための具体的な施策を発表した。

 両社はこれまで、インターネット空間でプライバシーへの配慮に欠ける情報発信が目立つ現状について検討、協議し、問題意識を共有してきたという。今回「プライバシーが尊重されるより良い社会への一歩」として、読者・ユーザーの声に今まで以上に耳を傾け、コンテンツに反映させる取り組みを始めるとしている。また声明を通じ、関係者へ広く呼びかけることにより、インターネット空間等の健全化の実効性が高まることを期待しているという。

読売新聞の取り組み

オンライン用報道指針の徹底と見直し

 記事の内容などの転載が拡散しやすいネットの特性を踏まえ、読売新聞ではオンライン記事向けの報道指針を運用しているという。今回「事件、事故の記事は掲載期間を限定する」「記事の見出し(タイトル)では、記事の内容を逸脱した文言の使用や、煽情的、刺激的な表現をしない」「個別事案ごとにプライバシー情報の掲載可否を慎重に判断する」など、プライバシーの取り扱い原則を定めるオンライン用報道指針を今まで以上に徹底し、不断に見直すとしている。

読売新聞オンラインの記事に意見を募る機能を追加

 読売新聞では「お客さまセンター」に寄せられた読者の意見を紙面に還元しているという。今回新たに読売新聞オンラインで配信する記事ごとに「読者の報告」を選択肢方式で募る機能を追加する。選択肢にはプライバシーへの配慮に関する項目も含めるという。この機能は11月に運用開始予定としている。

LINEヤフー(LINE NEWS、Yahoo!ニュース)の取り組み

プライバシーに配慮がない記事を掲載しない方針をあらためて確認

 これまでLINE NEWSの主要ニュースやLINE NEWSが持つLINE公式アカウントの「LINE NEWS DIGEST」、「Yahoo!ニュース トピックス」の編集方針では、伝える価値とプライバシー配慮の必要性を記事ごとに検討し、掲載を判断してきたという。今回この方針をあらためて内部で確認し、プライバシー配慮により重点を置くかたちにする。

ユーザーからのフィードバックによる状況の可視化

 LINE NEWSとYahoo!ニュースでは、記事ごとに報告フォームを設置し、「大げさな見出し、性的・暴力的な内容」などについて選択式でユーザーの意見を集め、記事品質の改善に活用しているという。Yahoo!ニュースは2023年7月、LINE NEWSは2023年9月から、この報告フォームにプライバシー配慮に関する選択肢を追加し、運用を開始した。ユーザーからのフィードバックを分析し、必要に応じて配信元の媒体社にも伝えながら、プライバシーの尊重に取り組んでいくとしている。

 以上のほか、LINEみらい財団が今後製作していく各種メディアリテラシー教材に、インターネット利用時のプライバシー保護の内容を追加する予定。

 両社は、今後もネット上でのプライバシー保護などに資する具体的な意見や共同での取り組みを積極的に発信し、賛同を呼びかけていくとしている。また、読売新聞は、LINEヤフーからの要請があった場合にプライバシーを含む報道に関する社内指針や、個別案件での対応ノウハウを提供するとしている。