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ワープスペース、月-地球間の光通信用センサーの開発をJAXAより受託、開発済みプロトタイプのさらなるノイズ低減に取り組む

 宇宙における次世代通信ネットワークの開発を手掛ける株式会社ワープスペースは12月20日、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)より、月と地球間の光通信用の高感度センサーの開発業務を受託したことを発表した。

 近年、月面探査・開発が活発に進められている中、月ー地球間の通信システムの実用化が課題となっている。月ー地球間の距離は約40万km。この距離で光通信を行う際、光も大きく減衰するため、微弱な光子を検知できる超高感度センサーが必要となる。

 センサーは、ワープスペースがすでにプロトタイプの開発を終え、顕著な性能を示したとしているが、さらに現実的な要件を満たすため、システム内で発生するノイズの低減に焦点を当てた開発を行うという。

 センサーが受信するノイズは、太陽やほかの通信機器など外部から発生するもののほか、システム内で発生するものもある。システム内で発生するノイズは、熱的原因、絶縁不良、結晶欠陥などによって光を当てなくても流れる電流(暗電流)によって引き起こされる。それによって、受信したい微弱な光子とノイズとの区別がつきづらいため、光の検出を困難にしてしまう。

 そこで、システム全体を-20℃まで冷却することと、センサーのサイズを縮小することの、2つの措置を行う。これにより、ノイズの原因となる暗電流を抑制し、デバイスが微弱な光信号を検出する能力を高めることを期待できるという。

 この開発は、2024年2月末に完了する予定としている。