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AIを用いた、ウェブサイト閲覧時に視線移動に合わせて文字が拡大するシステム、金沢工業大学が発表

 金沢工業大学は2月4日、AIを用いた「視線操作型Web提示システム」を開発したことを発表した。同大学メディア情報学科の松下裕研究室での研究成果。

 低視力の人やシニア世代がスマートフォンやPCでウェブサイトを閲覧する際、多くのものは小さい文字で構成されているため、読みにくいと感じることが多い。同研究では、ウェブサイトを閲覧する人が文字識別困難に陥ったとき、視線の停留だけで文字が拡大されるよう強化学習を行い、字識別困難の発生を迅速かつ正確に予測できるようにした。

 ウェブサイト閲覧時は、文字識別困難のほかにも、文章の意味が分からない場合など、さまざまな原因で視線停留が生じる。本研究では、ユーザーが500ミリ秒以上視線を止めると、時間を100ミリ秒間隔で逐次的に増加させ、その都度、AIに文字識別困難に陥ったかどうか判断させることで、迅速な予測を実現した。加えて、ウェブサイト閲覧時の視線移動速度と移動距離を計測し、外部条件として導入することで、予測精度を向上させている。

 同研究で開発されたシステムは、ファミリーレストランの料理の探索、選択、決定を行う「視線操作型電子メニュー」や、スクロールや拡大を視線で実現できる「視線動作型スマホ」への応用も期待されているという。

 なお、同研究は、金沢工業大学扇が丘キャンパスで2月13日・14日に行われる「プロジェクトデザインⅢ公開発表審査会」で発表される予定。