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アイ・オー、高齢者が即座に使えるテレビ通話専用機「memet」を発表
2月20日からクラウドファンディングで先行販売
2025年2月20日 16:05
株式会社アイ・オー・データ機器は2月20日、高齢者とその家族に向けたテレビ通話専用機「memet(めめっと)」を発表した。拡張機能を徹底的に省いて使いこなしのハードルを下げる「脱・スマート化」をスローガンに、超高齢社会に向けた新たな利便性を提供するという。
2025年問題を考えた末の「脱・スマート」
発表会ではまず、執行役員の加藤光兼氏が「memet」開発に至った背景と狙いを説明した。
2025年に団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となり、社会全体の超高齢化と人手不足のなかで現れる「2025年問題」にどう向き合うか。そこで多機能で拡張性も高いスマートなデバイスではなく、シンプルで誰でも習慣的に使い続けられる「脱・スマート」な機器の開発を目指すようになったという。
「memet」はいわば、脱・スマート化を図った第一号の製品だ。シニア世代が生きがいを感じる時を調べた内閣府の調査では家族や友人とのコミュニケーションが上位に上がる。その一方で、70歳以上の人はスマートフォンやタブレットを所持していても、実際に利用している人が半数以下に留まるという。
そこで迷わず使える仕組みを徹底。コンセントに差せば初期設定なしで、すぐにテレビ電話が始められる製品像を描いた。導入を促す子世代側がレクチャーしたり、初期設定を手厚くサポートしたりする負担もいらない。
通話できるのは3人まで。ゆえに安全
製品開発の具体的な点は第3事業部の竹田隼氏が解説した。
シニアになると目や耳、指の感覚などに衰えが目立つようになる。そのため、タッチパネルはあえて避け、押した実感が持てる物理ボタンで通話相手の選定から通話、終了まで全機能をこなせるようにデザインした。
通話相手を選ぶボタンは3つあり、それぞれに1ずつ登録する仕組みだ。最大3人(3連絡先)までとしか通話できないが、その結果として特殊詐欺電話対策の効果を得られるようになったという。
本体にはSIMが内蔵されており、個別の契約なしにKDDIのLTEが使える。通話先の登録は専用アプリを通してスマートフォンやタブレットで行う。memetの個体ごとに割り振られたQRコードを各人の端末で読み込むことで設定する仕組みだ。端末側には最大5台のmemetが登録できる。
価格は1万9800円+月額利用料
価格・料金は、memet本体の予価が1万9800円となる。サービス利用料金として、テレビ電話が月に1時間使える「ライトプラン」なら月額980円、8時間使える「プレミアムプラン」なら月額1980円。各月の上限時間を超えた後も音声通話は無制限で使える。なお、解約期間の縛りはない。
販売は2月20日からクラウドファンディングサービスの「Makuake」で先行して行っている。限定200台を3割引き(超超早割)するなどのキャンペーンも実施しているので、詳細はMakuakeのページを確認したい。なお、製品の出荷目処は4月上旬となる。
その後は販路を広げていき、年間4万台を目標に積極的に展開していくとのこと。その後の展開として、ケアマネジャーやかかりつけ医とのコミュニケーションに使えるサービスも検討しているという。