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移住相談件数が過去最多、移住希望ランキングでは群馬県が1位に〜ふるさと回帰支援センターが発表
2025年3月3日 08:30
認定NPO法人ふるさと回帰支援センターは、2024年の「移住希望地域ランキング」を発表した。
このランキングは、東京都にある同センターの相談窓口の新規利用者、および、同センターが主催・共催したセミナーの相談会の新規参加者に実施したアンケートの回答をまとめたもの。対象期間は2024年1月4日~12月28日で、回答数は1万9021件。
2024年の移住相談件数(問い合わせやセミナー参加を含む)は、2023年よりも4.1%増え、6万1720件だった。なお、2023年は5万9276件で、4年続けて過去最高の相談件数となったという。また、移住相談会・セミナーなどのイベントは637回開催された。
相談会・セミナー参加ともに群馬県が一番人気
都道府県別の移住希望地のランキングは、窓口での相談者とセミナー参加者とに分けて集計している。
窓口相談者数は、初めて群馬県が1位となった。2位は静岡県、3位が栃木県と続いた。また、ランクアップしたのは、福島県が3ランク上がり9位、千葉県がランク上がり13位、16位の兵庫県が2ランク上がり16位になったほか、前回20位以降だった東京都が14位になった。
群馬県に対しては20~30代の相談が増加し、漠然と地方移住を考えはじめたライト層や、伸び伸びと子育てをしたい層の相談が多かったとしている。また、アクティブな50代がセカンドライフを求めたり、首都圏へのアクセスの良さや自然環境からテレワーク移住の相談もあった。「仕事に追われるより、家族や自分の時間を大事にしたい」「災害の少ない地域に住みたい」といった声が聞かれたという。
2位の静岡県では、首都圏へのアクセスの良さもあり、「出張相談デスク」といった具体的な活動にも力を入れている。3位の栃木県では、SNS広告や県の移住サイトからの流入で、20代の相談者が増加。同県では住宅コストが抑えられることも相談増加の要因だとした。
なお、東京都は多摩地域や島しょ部の移住促進に力を入れており、自然豊かな地域への憧れもあり、東京23区から幅広い年齢層が相談に訪れているという。
セミナー参加者数のランキングにおいても、群馬県が1位となった。続けて、福島県は2位、広島県が3位。なお、福島県は前年比で5ランクアップし、広島県は前年比で4ランクアップしている。このほか、富山県が15ランクアップし7位だった。
群馬県では、多様なテーマで年間57回セミナーを実施したほか、他県やエリアごの市町村とまとまってセミナーや移住相談会を実施したことがランキングにも反映していたと分析。そのほかでは、福島県では関係人口などをテーマに若い人をターゲットにしたセミナーも多数開催したほか、広島県では県庁の移住以外の部署とも連携して「デジタル人材」をテーマにするなど仕事メインにしたセミナーを開催し、新規参加者を増やしたとコメントしている。
このほか、年代別の移住希望地ランキングも発表されている。20代以下では1位が群馬県、2位が栃木県、3位が静岡県。30代では1位が群馬県、2位が静岡県、3位が栃木県、40代は1位が群馬県、2位が静岡県、3位が群馬県。50代は同率1位が群馬県と静岡県、3位が長野県。60代は1位が静岡県、2位が群馬県、3位が長野県。70代以上は1位が静岡県、2位が栃木県、3位が群馬県という結果になった。
ふるさと回帰センターの高橋公理事長は、本ランキングに関して「上位10県をみると首都圏からのアクセスの良さや、大都市がある県、憧れを含めた人気の県などが並んでいた」とコメントしている。