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今年の確定申告、みんなの提出方法は? 自宅等からe-Taxが41.7%で最多、税務署へ持参(紙)は22.2%

9割以上の個人事業主が「前年と同じ方法」、提出方法が固定化する傾向に~弥生調べ

出典:「個人事業主 課題調査2025」弥生調べ

 弥生株式会社が個人事業主を対象に行ったアンケート調査で、令和6年分(2024年分)の確定申告書の提出方法として、自宅等からe-Taxで提出する予定だとした人が41.7%に上り、過去5年間で最高となったことが分かった。ただし、増加率は鈍化してきているという。また、9割以上が前年と同じ提出方法を予定していることが分かり、提出方法は個人ごとに固定化する傾向にあると指摘している。

 調査は、令和6年分(2024年分)の確定申告を行う予定の個人事業主(全国の20~70代)を対象に、2025年1月17日~1月22日にインターネットで実施した。サンプルは1000。

 これによると、予定している提出方法として最も多かったのが「自宅等からインターネットで提出(e-Tax)」の41.7%、次いで「税務署へ持参して提出(紙)」の22.0%だった。以下、「外部に依頼する」の15.9%、「税務署へ郵送して提出(紙)」の9.1%、「税務署や確定申告会場において提出(紙)」の4.2%、「税務署や確定申告会場においてインターネットで提出(e-Tax)」の3.2%と続いている。

 「自宅等からインターネットで提出(e-Tax)」の利用率を推移を見ると、令和3年分は29.8%、令和4年分は35.0%、令和5年分は39.6%だった。今回の令和6年分の利用予定が41.7%だったことから、この4年間で11.9ポイント増加していることになるが、その伸びは鈍化してきている。弥生では「今後はe-Taxの利用率の成長率は高止まり傾向になる」とみている。

出典:「個人事業主 課題調査2025」弥生調べ

 今回、e-Taxを利用予定だとした人の割合を年代別に見ると、20~30代で55.4%と半数を超えている。一方、40代では47.7%、50代では41.3%、60代では36.9%と、年代が上がるに連れて少なくなり、70代以上は26.7%にとどまる。ただし、「いずれにしても、キャズム理論における普及の谷である16%は超えていることが分かる」としている。

出典:「個人事業主 課題調査2025」弥生調べ

 e-Taxを利用しない理由(複数回答)として、「紙での提出に慣れているから」が40.5%で最多だったことから、弥生では「従来の提出方法が習慣化されていることが伺える」と指摘。以下、「e-Taxが難しそうだから」が29.6%、「e-Taxでの申告のやり方が分からないから」が22.3%と続いており、「技術的、使用方法への不安が利用を妨げていることが示唆される」という。

出典:「個人事業主 課題調査2025」弥生調べ

 なお、提出方法については、前年(令和5年分)と同じ方法を今年(令和6年分)も予定している事業者が大多数だ。両年ともe-Taxで提出とした人は91.0%、両年とも紙で提出とした人は95.8%(「税務署へ持参して提出」および「税務署へ郵送して提出」)に上り、「提出方法は個人ごとに固定化する傾向が見られる」という。

出典:「個人事業主 課題調査2025」弥生調べ

 今回の確定申告を行うにあたって課題として感じていること(複数回答)について聞いた設問では、「作業時間の確保」(18.6%)、「申告書の作成」(18.4%)が上位だったことから、弥生では「忙しくて時間が確保できない人、初めて申告を行う人や複雑な申告を必要とする人にとっては、一定の課題があることが伺える」としている。次いで、「帳票の作成、整理」(14.1%)、「税金や所得の計算」(13.8%)、「計算ミスや申告漏れの対応」(13.6%)といった申告書作成に伴う作業に関する課題が挙げられたことから、「確定申告のプロセスをより簡素化するための取り組みが必要なのかもしれない」としている。

 一方で、45.1%が「特にない」と回答。「多くの事業者が現状の提出方法に満足している、または大きな課題を抱えていないことから、前年と同じ提出方法を選択しているものと考えらる」としている。

出典:「個人事業主 課題調査2025」弥生調べ