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確定申告の提出方法 “紙”に根強い需要 「慣れているから」「e-Taxが難しそう」……
“e-Tax”は計4割に上るも、高止まり傾向 ~弥生の意識調査結果
2024年2月16日 15:51
弥生株式会社は2月13日、個人事業主を対象に実施した「確定申告に関する意識調査2024」の結果を発表した。これによると、回答した事業者の4割がe-Taxによる申告を予定しており、確定申告のデジタル化が進む一方で、約3割は紙による申告を選択。また、課税事業者のうちの半数が、インボイス制度を機に「初めての消費税申告」を行うことになるとしている。
この調査は、個人事業主または副業の収入について令和5年分(2023年分)の確定申告を予定している1000人を対象に2024年1月19日~22日に実施したもの。
まず、予定している確定申告の提出方法については、「自宅等からインターネットで提出(e-Tax)」が36.3%で最も多かったほか、「税務署や確定申告会場においてインターネットで提出(e-Tax)」が4.3%だった。一方で“紙による提出”も根強い需要があるとしており、「税務署へ持参して提出(紙)」が24.9%、「税務署へ郵送して提出(紙)」が9.2%、「税務署や確定申告会場において提出(紙)」が4.0%だった。このほか、「外部に依頼する」が17.1%、「わからない・その他」が4.2%。
「全体におけるe-Taxの利用意向については40.6%に上り、新型コロナウイルス禍によってe-Tax利用意向が大幅に伸長した2021年調査以降、概ね同程度の高止まり傾向となっている。」(弥生)
また、前年と同じ提出方法を今年も予定している事業者が多くを占めたという。令和4年分の提出方法と令和5年分の提出方法の予定について、「両年ともe-Taxで提出」が94.4%、「両年とも紙で提出」(「税務署へ持参して提出」と「税務署へ郵送して提出」)が89.9%となっており、「確定申告の提出方法は個人ごとに固定化する傾向が見られる」としている。
e-Taxを利用しない理由(複数回答)としては、「紙での提出が慣れているから」(48.8%)、「e-Taxが難しそうだから」(20.8%)、「税務署/確定申告会場で相談したいから」(17.9%)、「e-Taxでの申告のやり方が分からないから」(14.4%)、「e-Taxのやり方を調べるのが億劫だから」(13.9)――などと続いている。弥生では「e-Taxは対応へのハードルを感じる事業者もいる」と指摘しているが、「ICカードリーダーを買いたくない」(13.0%))という、「制度への誤解がハードルとなっている例も見受けられた」としてちる。
インボイス制度によって、課税事業者の半数が「初めての消費税申告」
今回の調査は、2023年10月のインボイス制度の施行後、初の調査となるため、インボイス制度の意識調査も同時に実施した。これによると、調査に回答した事業者は、免税事業者が50.1%、課税事業者が35.8%、「わからない」が14.1%だった。このうち課税事業者において、課税事業者に登録したタイミングは「インボイス制度を機に登録した」が50.6%と半数を占めた。
弥生では「一般的に“確定申告”と言えば所得税の確定申告を指すが、2023年10月に開始したインボイス制度で課税事業者になった場合は消費税の確定申告も必須になる」とし、今回の確定申告では、課税事業者のうち50.6%がインボイス制度を機に初めての消費税申告を行うことになるとしている。