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米Huluまたもや売却中止、親会社が7億5000万ドルの資本注入を発表

 米インターネットテレビ動画サイトHuluは12日、報道されていた売却を中止し、親会社から7億5000万ドルの資本注入を受けると発表した。

 Huluは米国のテレビ番組を広告ベースの無料または有料で視聴できる人気インターネット動画サイト。コンテンツ企業21st Century Fox、NBCUniversal、The Walt Disney Companyが所有している。

 Huluは3社により売却が検討されていると報道されていた。これまで名前が挙がっていた売却先にはYahoo!、DirecTV、AT&T、Time Warner Cableなどがある。

 今回の売却中止決定について、 21st Century Foxの社長兼COOであるChase Carey氏は、「魅力的な計画と提案を持つ潜在的なパートナーとバイヤーとの間で、我々は意味深い話し合いを行ってきた。しかし、まとまったビジョンとビジネスのゴールを完全に共有している21st Century FoxとDisneyとしては、過去数年間に築きあげてきた信じられないほどの勢いを続けるためにも、今のやり方のままで、Huluチームを引き続き強化していくことを決定した」とコメントした。

 Huluは複数企業の合弁会社として2007年に発表された。現在は400以上のコンテンツパートナーによるテレビコンテンツを提供し、毎月のユニークビジター数は3000万を超える。2010年には有料サービスHulu Plusを開始、現在有料会員数は400万を超え、2012年には6億9000万ドルの売上を記録したという(日本国内では月定額980円の有料サービスのみが提供されている)。

 Huluが売却を検討したのはこれが初めてではない。2011年にも売却が検討されたが、その時の売却先にはGoogleやAmazonなどの名前が挙がっていた。

 Huluの売却の行方によって、広告ベースの無料プランまた有料プランにどのような変化が起きるのかに注目が集まっていた。ちなみに、米国で最も人気のある有料動画サイトであるレンタルDVD最大手Netflixとの間には、視聴者数ではまだ大きな開きがある。米Amazonとの間の競争にも注目が集まっている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)