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ウイルス感染PCでも安全にネットバンキング、セコム経由専用のUSBメモリ型端末

 セコム株式会社と同社子会社のセコムトラストシステムズ株式会社は10日、Windows PCやMacにおいて、ネットバンキングに特化した環境を提供するサービス「セコム プレミアムネット」を個人向けに提供すると発表した。料金は、初期費用が1000円(税別)から、月額基本料が500円(税別)。

専用OS、専用ブラウザーからセコムのデータセンターにVPN接続を行い、データセンター内のホワイトリスト内のアクセス先のみ通信できる

 ユーザーは、ネットバンキング専用のOSと専用ブラウザー、電子証明書を搭載した、書き込み不可のUSBメモリをPCに挿して起動することで、セキュアな環境でネットバンキングを利用できる。USBストレージからの起動に対応するPCであれば利用可能で、Intel製CPUを搭載したMacにも対応する。

 USBメモリから専用OSを立ち上げると、利用できる金融機関の一覧が表示され、ユーザーが利用する金融機関のネットバンキングサービスに接続する。メガバンクへの対応はすでに完了しており、地銀については順次対応していく予定。セコムでは、PCがウイルスに感染して乗っ取られている場合でも、安全にネットバンキングを利用することができるとしている。

 金融機関への接続は、まずセコムのセキュアデータセンターにVPN接続を行い、データセンター側にあるホワイトリストに登録された金融機関のみ通信できる仕組み。データセンター内のホワイトリスト以外への接続はできず、Googleやヤフーなどの検索サービスや通常のサイト閲覧もできない。

 また、ネットワーク周りのデバイスドライバーについては、有線LAN/無線LANともに、USBメモリ内にドライバーを内包しており、合致するデバイスについてはネットワークでの通信が可能。また、USBメモリに内蔵されていないドライバーについては、複数のドライバーを収めた補助CDを提供するという。

 なお、個人向け「セコム プレミアムネット」の受付は10日より行っているが、ユーザーが利用する金融期間への対応時期によって差があるとしている。申し込みからUSBメモリが届くまでの日数は、1週間程度を目安としている。また、有人オペレーション体制によるサポートで、操作方法や端末紛失などの問い合わせに24時間365日対応する。

 なお、金融機関への導入を想定した法人サービスは1月から展開しており、初期費用が100万円(税別)から、月額基本料金が5万円(税別)、月額従量料金が1端末あたり500円(税別)となっている。法人向けには、専用端末を使って不正送金の被害にあった場合、金融機関それぞれの条件に基づき保険金が支払われるという。

法人向け「セコム プレミアムネット」は、1月より提供している

(山川 晶之)