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米Microsoft、名刺を自動認識できる「OneNote Beta API」無料公開

Windows Phoneアプリ「Office Lens」に搭載開始

 米Microsoftは8日、撮影した名刺を自動認識し、OneNoteやOutlookに取り込める機能の提供を開始したことを発表した。まず、英語版として公開されているWindows Phoneアプリ「Office Lens」に新機能として搭載された。さらに「OneNote Beta API」で名刺画像認識機能が利用できるようになり、開発者向けに無料公開された。

(Microsoft Office公式ブログより)

 この名刺自動認識技術は、Microsoftの研究部門であるMicrosoft Researchで開発されたテクノロジーをもとにしているという。現時点では英語の名刺で最も精度がいいが、数カ月かけて他の言語での精度も向上させ、最終的にはサポートしていきたい考えだ。そのアルゴリズム改良に利用者の協力も求めている。

 Office Lensアプリは今年3月に公開され、紙の文書やホワイトボードを撮影し、画像補正して読みやすくOneNoteに取り込む機能を提供していた。今回、これに名刺の自動認識機能が追加されたことになる。

 名刺撮影モードで撮影すると、自動的に名刺中の文字を認識し、OneNoteのノートに美しくフォーマットして保存する。これにより、OneNoteが対応しているPC、Mac、スマートフォン、タブレットで名刺検索が可能になるほか、取り込まれたリンクから直接メールや通話も可能となる。生成・添付されたvCardを直接Outlookに取り込むことも容易だ。

 認識される名刺の文字からは氏名、肩書き、所属、電話とFAX番号(tel:リンク付き)、住所(Bing地図へのリンク付き)、メールアドレス(mailto:リンク付き)、ウェブサイトを抽出できる。

(Microsoft Office公式ブログより)

 Microsoftの開発チームは、英語以外の言語での精度を高めてサポートできるようにするため、利用者に協力を求めている。

 その協力方法だが、スキャンした名刺をOneDriveやDropboxなどのオンラインストレージのフォルダーに保存し、そのフォルダーへの共有リンクをMicrosoftの専用メールアドレス「OneNoteBizCards@microsoft.com.」に送るようお願いしている。Microsoftでは、これらの画像をアルゴリズム改善のためにのみ利用するとしている。

 なお、Office Lensのホワイトボード撮影・画像補正機能は、OneNoteのWindows 8アプリおよびiOSアプリの撮影機能にもすでに組み込まれている。今後、名刺認識機能も同じように利用できるようになるかが注目される。

(青木 大我 taiga@scientist.com)