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NTT東西、固定電話のメタル設備から光・モバイルへの移行に関する方針を公開
2035年度中を目途に移行完了へ
2025年9月30日 09:25
NTT東日本株式会社とNTT西日本株式会社は9月29日、メタル設備を利用した加入電話について、光・モバイルを用いたサービスへの移行を段階的に実施するとし、今後の移行の流れや代替サービスなどの方針を発表した。また、メタル設備を利用した加入電話の基本料の値上げも発表した。
両社によると、メタル設備を利用した加入電話については、利用者の減少や、老朽化した設備の維持限界により、2035年頃までにはサービスレベルの維持が困難な状況を迎えるという。こうした中で、普及・拡大している光ブロードバンド・モバイルサービスへの移行を段階的に実施することで、引き続き安心して固定電話を使用できる環境を維持するとしている。
代替サービスとして、光ファイバーによる「光回線電話」、モバイル網を活用した「ワイヤレス固定電話」、フレッツ光と合わせて提供される「ひかり電話」を、利用環境に合わせて案内するとしている。このうち、光回線電話の申し込み受付は10月1日、ワイヤレス固定電話の申し込み受付は制度・準備が整い次第開始される予定。
代替サービスへの移行にあたっては、申し込み・工事が必要。ただし、工事費などの初期費用については無料となるほか、フレッツ光・ひかり電話へ移行する場合は、月額料金の一定期間の割引などを予定しているという。
メタル設備を利用した加入電話については、2026年4月より基本料が事務用で330円、住宅用で220円値上げされる。維持コストの上昇、設備の老朽化が進む中でも安定してサービスを提供していくためだとしており、代替サービスにあたる光・モバイルを用いた電話サービスの基本料は据え置かれる。
今後の移行のスケジュールとしては、メタル設備の保守に支障があるエリアや、被災などで再敷設が必要となったエリアなどの一部エリアで先行して移行が実施される。2028年度頃より、エリア単位で段階的にサービスを終了していき、2035年度中を目途に移行を完了させる見通しだとしている。
本件にあたっての消費者被害防止の取り組みとして、移行に便乗した詐欺などを防止するため、書面でのお知らせやメディアでの発信などを通じて注意喚起を実施する。また、各種相談を受け付ける専用ウェブサイト・コールセンターが本日(9月29日)開設された。