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KDDI、子会社ビッグローブらの不適切な取引について情報を公開、広告代理事業の売上の約99.7%が架空循環取引で計上
2026年4月1日 13:50
KDDI株式会社は3月31日、子会社のビッグローブ株式会社とジー・プラン株式会社における不適切な取引について、特別調査委員会より調査報告書を受領したとして情報を公開した。
KDDIは、当該の不適切な取引について、2025年12月中旬ごろに一部の広告代理店からの入金が遅延したことを契機に認識した。その後、2026年1月14日に情報を公開し、外部の弁護士・公認会計士で構成される特別調査委員会を設置し、2月6日には、2026年3月期第3四半期決算短信の開示を延期し、本件に関する調査の途中経過および業績に関する説明会を実施していた。
広告代理事業の売上の約99.7%が架空循環取引で計上
調査の結果、遅くとも2018年8月から2025年12月までの間、ビッグローブおよびジー・プランの広告代理事業において、広告運用の実体のない架空循環取引が継続的に行われていたことが認められた。こうした取引は、ジー・プランの社員2名によって行われていた。
こうした架空循環取引は、広告主からの委託が存在しないにもかかわらず、それが存在するかのように装い、上流代理店から架空の広告掲載業務を受注し、下流代理店に同業務を発注、上流代理店、ビッグローブおよびジー・プラン、下流代理店、上流代理店といった順序で報酬の支払わせることで行っていた。
両社の広告代理事業全体での取引先は、2017年4月から2025年12月までの間に計218社存在していた。架空循環取引はこのうち21社との間で行われており、両社における広告代理事業の売上の約99.7%が架空循環取引で計上されたものだった。これにより、累計で2461億円が売上として過大に計上され、329億円がKDDIグループの外部に流出した。
なお、本件以外に類似事案の存在は確認されなかったほか、ジー・プラン、ビッグローブ、KDDIの役員は本件の発覚以前に架空循環取引の存在を認識しておらず、組織的な事案ではないことも確認されているとしている。
ビッグローブとジー・プランでは代表取締役社長が辞任
本件に関する事態を重く受け止め、ビッグローブとジー・プランでは代表取締役社長ら役員6名が辞任、KDDIの役員は報酬の自主返納を行う。また、本件に関与した社員2名は社内規程に基づき懲戒解雇処分がなされた。
KDDIは再発防止策として、次の内容を策定した。
KDDIグループにおける取引先管理の強化
- 取引先・与信管理基準の見直し
- モニタリング体制の再構築および定期的な運用点検
KDDIグループにおける購買業務の権限分離・検収業務の適正化
- 購買プロセスにおける明確な権限分離の徹底
- 属人化リスクの可視化および対応
KDDIグループにおける新規事業に対するリスク管理とキャッシュフロー管理の強化
- 新規事業・事業拡大時のリスク分析・対策の実効性向上
- 月次採算管理・キャッシュフローマネジメントの強化
- 派遣役員による事業管理の強化とコミュニケーション機会の増加
KDDIグループ各社の牽制・監査機能およびグループファイナンス先の財務管理の強化
- 子会社を含む内部通報制度の認知向上・利用促進
- 内部監査体制の強化および内部監査におけるリスク評価手法の見直しと職業的懐疑心を高める研修実施
- グループファイナンスの審議プロセスと財務状況の確認プロセスの強化
再発防止策のKDDIグループ全体での浸透と持続的な実行
- グループガバナンス強化対策会議の設置、再発防止策の浸透とモニタリング
- リスクマネジメント委員会を通じた取締役会への定期報告
高い倫理観と健全な企業風土の醸成
- KDDIフィロソフィの理念浸透活動を継続
- 不正リスク対応のための教育プログラムの導入
グループガバナンス強化に向けたグループ経営戦略の検討
- グループ会社との共通理解の深化と相互信頼関係の強化に向けた取組み
- グループ会社への派遣役員の在り方や機能の見直し

