ニュース
約60km離れた遠隔地から安定したドローン操縦と映像伝送が可能に。NTTら3社、無線区間の遅延揺らぎを低減する技術を実証
2026年5月15日 08:00
NTT株式会社、株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー(NTT-ME)、株式会社NTT e-Drone Technologyは5月14日、無線区間で発生する遅延揺らぎを低減することで映像品質の安定化を実現する技術を、遠隔ドローン操縦環境を構築して実証したと発表した。
同技術は、カメラを搭載したドローンでの遠隔操縦を精密に実施することを目的にしたもの。点検箇所が日によって変わる場合や狭い空間など、自動飛行が難しい空間では、ドローンを精密かつ安全に遠隔操縦することが求められる。精密な遠隔操縦を実現するためには、通信が途切れないだけでなく、映像乱れのない安定的な映像伝送が重要になる。
無線区間では、上り通信と下り通信が同じ周波数帯域を共有していることや、通信品質が低下した際に再送制御が発生することから遅延揺らぎが生じやすく、映像フレームが揺らぐことで映像の乱れが発生する原因となっていた。
同技術では、無線基地局から収集したトラフィック情報をもとに映像レートを分析し、映像レートに合わせて光ネットワーク装置でフレーム間隔を補正することで、無線区間で発生した遅延揺らぎを低減し、映像品質の安定化を実現している。また、補正により映像フレーム間隔も理想的な値に近づけられるため、映像の乱れも解消される。
実証実験は、福島県南相馬市のロボットテストフィールドにドローンを配置し、福島県郡山市からネットワークを通じて伝送されたカメラ映像を見ながら、遠隔操縦を行う形で行われた。直線距離で約60km離れた2拠点間はフレッツVPNで接続されており、無線区間にはローカル5Gを用いている。
使用されたシステムには、無線区間で発生する遅延揺らぎを補正する機能が実装されている。高負荷な映像伝送を行う際、通常は伝送時間全体の12%で映像の乱れが検出されるが、同技術を適用することでこれを5%に低減できた。移動時間の評価も行い、目視で平均35秒を要する移動を、遠隔操縦においても平均32秒と同程度の時間で完了できたため、操縦に影響のない映像品質を実現できていることが確認できたとしている。
3社は今後、ドローンに限らず、無人航空機・ロボットの操縦などへの幅広い適用を目指し、同技術の実用化を推進する。合わせて、様々な分野での遠隔オペレーション業務を推進し、人手不足の解消に向けて取り組んでいくとしている。


