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「IOWN APN」を活用した東京-福岡間の遠隔分散型AIインフラの技術実証を完了、GMOインターネットら4社
2026年3月31日 06:30
GMOインターネット株式会社、NTT東日本株式会社、NTT西日本株式会社、株式会社QTnetは3月30日、IOWN APN(All-Photonics Network)を活用した東京-福岡間の遠隔分散型AIインフラの技術実証を完了したと発表した。
近年の生成AIや大規模言語モデル(LLM)の普及に伴い、AI開発基盤の需要が急拡大している。従来、GPUと大容量ストレージは物理的に隣接した配置が必須とされてきたが、データセンターのスペースに制約があり機器を増設できないケースや、自社の拠点でデータを管理したいケースに対応するため、地理的制約を超えた分散型AI開発基盤の実現が求められている。
4社は、高速大容量かつ低遅延という特徴を持つIOWN APNを活用し、こうした課題を解決するために、遠隔地にあるGPUとストレージを接続した際の技術的実現可能性を検討してきた。
同実証では、2025年11月から2026年2月にかけて、東京(ストレージ)-福岡(GPU)間にIOWN APN実回線を敷設し、「GMO GPUクラウド」のGPUと大容量ストレージを接続したAI開発基盤でのAIワークロード性能を測定・評価した。
実証実験の結果、IOWN APNを経由した遠隔分散環境においても、ローカル環境(同一データセンター内接続)と遜色ないパフォーマンスを発揮することを確認した。ローカル環境との比較で、演算処理が主体となる大規模言語モデル(LLM)の学習では約0.5%の性能低下、データ読み込みが発生する画像分類(ResNet)のタスクでは約5%の性能低下にとどまった。
同実証で確認された技術の実用化により、以下のような活用が期待されるという。
大規模学習データ、または機密データを保持した状態でのAI学習
自社管理下のデータを外部に保存することなく、遠隔のクラウドGPUでAIモデルの学習を実行する。
既存のオンプレミス環境とのハイブリッド活用
自社の既設ストレージ、GPUリソースを活用しながら、不足するGPUリソースをクラウドから調達し、柔軟なAI開発環境の整備を行う。
地方分散配置によるBCP対応
計算資源とストレージを地理的に分散することで、災害や障害時にもAI処理継続性を確保した高可用性環境を構築する。
4社は今後、IOWN APNの普及と「GMO GPUクラウド」をはじめとするクラウドサービス事業者、ならびにQTnetなどの地方データセンターとの連携を進めることで、IOWN APNをAI基盤のバックボーンとして社会に実装していくことを目指すとしている。

