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NTTとJAXA、「衛星MIMO技術を活用した920MHz帯衛星IoTプラットフォームの軌道上実証」に向けた実験を開始
2026年4月20日 07:00
NTT株式会社は4月15日、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と「低軌道衛星MIMO技術」および「衛星センシング技術」を実証するための機器を搭載した実証衛星において実験を開始したと発表した。
両者は2025年12月14日、世界初の「衛星MIMO技術を活用した920MHz帯衛星IoTプラットフォームの軌道上実証」に向け、革新的衛星技術実証4号機(小型実証衛星4号機)を打ち上げていた。実証衛星には、低軌道衛星MIMOおよび衛星センシング技術に使われる「低軌道衛星MIMO/IoT伝送装置」(LEOMI)を搭載している。
無線通信におけるMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)とは、送信機・受信機の双方が複数のアンテナを持ち、同一周波数で同時に通信し、通信の大容量化を実現する技術。両者が低軌道通信MIMO技術を開始した2019年11月の発表では、衛星通信では地上と比べて伝播距離が長く遅延量が大きくなるため、携帯電話やWi-FiのMIMO技術をそのまま適用することは困難であると説明していたが、今回の小型実証衛星4号機では、チェックアウト試験を終えて定常運用が開始され、MIMO方式による信号処理が想定どおり行われていることが確認された。
衛星センシング技術とは、地上のIoT端末からの電波(LPWAとも呼ばれる、920MHz帯に代表される安価なIoT端末から発せられるもの)を人工衛星で受信し、衛星により広範囲かつ高精細な地球観測を可能にする技術。IoT端末からの微弱な電波を抽出し、ターゲット外のIoT端末からの干渉を軽減する「衛星ブラインドビーム制御技術」と、複数の通信方式の同時受信を可能とする「マルチプロトコル一括受信技術」により構成される。
受信したデータは処理が必要になるが、低軌道衛星と地上基地局との高速通信を可能にする低軌道衛星MIMO技術により、地上でのデータ処理が現実的になる。
低軌道衛星MIMOにより、観測衛星の高精細な画像やレーダー情報の取得が可能になることで、気象情報、地形変化、海洋観測、災害予測などの観測精度が向上することが期待される。また、衛星センシング技術が確立すれば、多数の地上基地局の運営が不要になることで、インフラ設備の点検、環境モニタリング、スマートメータ等で用いられるIoTサービスを低コストかつ広域に展開できることが期待される。
