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エルプラス、ファイル送受信用にローカル完結型の暗号化ツール「Angoal PQ」公開、NIST標準の耐量子暗号採用

 エンドツーエンド暗号化特許実装支援、アタクサーフェイス調査などを手がける合同会社エルプラスは7月13日、ローカル完結型のE2EE(End to End Encryption:エンドツーエンド暗号化)ツール「Angoal PQ」を公開した。ウェブサイトにアクセスすることで、無償で利用できる。

 Angoal PQは、ファイルを共有する際、パスワード付きZIPファイルをメールで送った後にパスワードを別送する、いわゆる「PPAP」に代わるサービスとなる。エルプラスでは、PPAPは政府機関や大手企業で廃止が進む一方、依然として多くの現場に残っており、また、一般的なファイル共有サービスの多くは、暗号化・保存・配送のいずれかの段階でサーバー側の処理を信頼することが前提となっていると指摘する。

 これに対し、Angoal PQは、この「信頼前提」を最小化するために開発されたものだという。同サービスは、暗号化と復号をユーザーのブラウザー内で完結させる(アプリ本体は通信を行わず、必要なデータはローカルストレージに保存される)ことが特徴で、会員登録などは不要(ユーザーを作成して鍵を生成する必要はある)。無償で利用できるが、高リスク用途向けの専門的検討は有償だとしている。

 利用者は、サービス内でユーザーを作成した後、「鍵ペア」を生成する。ファイルを共有する相手と互いに「公開鍵」を共有し、サービスに相手の公開鍵を登録したうえで、相手の公開鍵に対してファイルを暗号化する(暗号化したファイルもローカルに保存される)。このファイルを何らかの方法で送信すれば、途中の配送経路がメール・チャット・クラウドストレージなど何であっても、暗号の中身を見ることはできず、受信した相手は自分の「秘密鍵」を利用して、ファイルを復号できる。

 鍵のアルゴリズムはNIST標準の耐量子暗号に対応しており、鍵共有はECDH(楕円曲線ディフィー・ヘルマン鍵共有:NIST曲線P-256/P-384/P-521)に対応するほか、ECDHとML-KEM(Module Lattice Key Encapsulation Mechanism:耐量子暗号の公開鍵メカニズム。FIPS203)を組み合わせたハイブリッド方式を選択できる。ハイブリッド方式では、送信者検証のためにML-DSA(Module-Lattice-Based Digital Signature Algorithm:耐量子暗号のデジタル署名アルゴリズム。FIPS204)の署名ブロックを利用しており、古典的な楕円曲線暗号と耐量子暗号を併用することで、将来いずれか一方の安全性前提が弱まった場合のリスク低減を図る設計だという。本文の暗号化にはAES-256-GCM、鍵導出にはHKDF-SHA256を使用している。