独ipoque、DPIエンジンをオープンソースで公開


 インターネットトラフィック管理ソリューション企業の独ipoqueは7日、同社の製品から派生したディープパケットインスペクション(DPI)エンジンをオープンソースで公開した。

 公開されたのは、OpenDPIと名付けられたソフトウェアライブラリ。アプリケーションのプロトコルを識別し、インターネットトラフィックを分類できる。LGPLライセンスで公開されている。

 OpenDPIは、ipoqueの製品「PACE」に搭載されていたDPIエンジンから派生している。PACEは、キャリアグレードのDPIや帯域幅管理ソリューションに使用されている。

 DPIエンジンを公開した理由について、ipoqueのKlaus Mochalski CEOは「透明性が当初から最重要課題だった。ベンダー側の透明性の欠如は、DPI業界全体の問題となってしまった」とコメントしている。

 この透明性の欠如のために、インターネットユーザーはこの技術を恐れ、DPI技術では、ユーザーが通信している内容を読み取ったり、解析したりしているのではないかといった憶測が流れるようになってしまった。しかし、DPIエンジンがオープンソースで公開されることによって、プライバシーの侵害が行われていないことが明確になり、このことはDPI業界に資するものと考えている。

 日本国内でも、ISPがWinnyなどのトラフィックを制限するために用いられているとされる。この問題は法律的には通信の秘密の問題、またネットの中立性の問題とも密接に関連しており、注目を集めている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2009/9/8 11:52