富士通研究所、抜き取られたHDDからの情報漏えい防止技術を開発


データ消去の仕組み

 株式会社富士通研究所は、HDD抜き取りによる情報漏えいを防止する技術を開発したと発表した。抜き取ったHDDをほかのPCに接続した際にPC認証を行い、その結果に応じて、HDD内のデータを消去したり、アクセス制限をかけたりすることができる。

 この技術は、業界標準の「Opal Security Subsystem Class(SSC)」仕様に対応したHDDに対し、接続されたPCの認証とデータの自動消去を行う機能を、ソフトウェアとして追加することで実現した。Opal SSC仕様では、ユーザーが利用するOSを起動する前に、認証アプリケーションを実行できる仕組みが用意されている。今回富士通では、この仕組みを利用し、あらかじめ認証したPC以外にHDDをつなげた場合、データを消去するか、あるいはOSやデータへのアクセスを制限し、PCの起動を中止できるようにした。

 富士通研究所によれば、この手法では、業界標準仕様のHDDで利用でき、専用のハードウェアを必要としないほか、認証はOS起動前に自動で行われることから、ユーザーの操作性も損ねずに済むメリットがあるとのこと。同社では、本年度中に技術の完成度を高め、2010年度中の実用化を目指すとしている。


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(石井 一志)

2009/10/20 12:01