Googleブック検索和解修正案提出、日本やEUは実質的に除外


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 米Googleおよび同社と連携している複数の作家団体は13日、ニューヨーク南部連邦地裁に対して、Google Book Search(Googleブック検索)集団訴訟に関連した和解修正案を提出したと発表した。最も大きな注目点は、修正案では集団訴訟の参加者を米国、英国、オーストラリア、カナダに限定し、実質的に日本や多数のEU諸国を除外したことが挙げられる。

 このように修正した理由として、これら4カ国が似た法慣行と出版業界慣行を持つ国々であることを挙げている。ただし、これらの国以外の作家や出版社であったとしても、2009年1月5日までに米国著作権庁に著作物の登録を行うか、あるいは英国、オーストラリア、カナダで書籍を出版している場合、この集団訴訟の対象になるため注意が必要だ。

 一方で、4カ国以外の国の作家や出版社がこの集団訴訟に加わることはできなくなった。しかしGoogleでは、諸外国の作家や出版社とも話し合いを続け、世界的なレベルで著作物を検索できるようにしたいという希望を抱いている。

 その他の修正点として、絶版書籍の扱いが挙げられる。修正案では、絶版書籍による売り上げの使途が修正された。

 これまでは、Googleを中心として設立する「Book Rights Registry」機関が、絶版書籍の売り上げを管理することになっていた。しかし修正案では、売り上げの一部を著作権者の捜索費用に充て、この機関の運営費用や他の著作権者への配分に利用されないことが盛り込まれた。捜索から10年が経過した後、売り上げは著作権者や市民のための非営利団体に分配され、その後放棄された資金に関しては適切な政府機関に提供するとしている。

 さらに、これまでにもGoogleは、絶版書籍をGoogle以外の書籍小売業者、例えば米Amazonや米Barnes & Noble、地元書店、その他小売業者が販売できるようにすると主張してきた。この取り決めの中で、売り上げの分配比率は著作権者が63%、小売業が残り37%の大半を受け取るとしていた。修正案ではこのことが単なる口約束ではなく、Googleの義務として盛り込まれた。

 書籍の値付けを行うためのGoogleのアルゴリズムについても修正案に盛り込まれた。このアルゴリズムでは、競争市場における書籍の価格をシミュレートし、それぞれ書籍は影響を与え合うことなく別々に値付けされる。一方、この値付けに関する情報は著作権者以外と共有されることはないとしている。

 Google共同創業者のSergey Brin氏は、最近新聞に寄稿した文章の中で「我々の文化的相続財産が、完全な状態で世界の主要な図書館に存在するにしても、それに誰もが簡単にアクセスできないとしたら、実質的には失われているのと同じである」と主張していた。Googleでは、世界中の書籍を簡単に検索できるようにするという同社のミッションが、修正案の結果、狭まってしまったことに落胆している。

 これに対し、Amazon、Microsoft、Yahoo!を中心として設立された米OpenBookAllianceはコメントを発表し、文化的遺産のデジタル化にとてつもない価値があることを認めた上で、和解修正案では、Googleやその他特定の企業に対して「世界最大の書籍データベースに関する独占的権利を与えるべきではない」と強く反発している。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2009/11/16 12:06