EU経済見通し、2010年にICT市場は安定へ


 独IT業界団体のBITKOMが欧州情報技術研究所(EITO)と行った調査の結果、欧州連合(EU)内の情報通信技術(ICT)分野の市場は、2010年には安定化に向かうとの予測が示された。

 2009年のICT市場が7180億ユーロで前年比2.2%減となるのに対して、2010年には前年比0.5%減にとどまり、7140億ユーロとなる見通しだとしている。他の分野における落ち込みが激しいだけに、ICT分野の安定ぶりが目立つ形となっている。

 通信市場を除くIT分野(ハードウェア、ソフトウェア、サービス)に限れば、3000億ユーロ規模で前年比0.6%増と、2008年の3%増以来の増加見通しだ。2009年は2990億ユーロで前年比2.6%減少となるが、市場の縮小傾向は、IT分野に限ればわずか1年に限られることになる。コストカットが全業種での課題となってるが、アウトソーシングサービスは2009年には4%の伸びを示し、660億ユーロに達するという。

 一方、通信市場は、2009年は減少幅が最も小さく0.7%減にとどまり、市場規模は3610億ユーロ。通信サービスに限れば横ばいだという。携帯電話市場は4%減となり、655億ユーロ。

 薄型テレビ、デジタルカメラ、ナビゲーションシステムなどデジタルコンシューマ機器分野は8%減となり、全体でも585億ユーロにとどまった。2010年も6%の減少が予測されている。


関連情報

(Gana Hiyoshi)

2009/11/16 12:32