EU消費者担当委員、消費者のネットプライバシー問題で提言


 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会の消費者担当委員Meglena Kuneva氏は12日、ブリュッセルで開催された消費者プライバシーとオンライン市場に関するフォーラムであいさつし、オンライン市場では現在、消費者の利益が最大の関心事であり、3つの課題があるとの認識を明らかにした。
 
 3つの課題とは、国境を越えた電子商取引の改善、不公正なオンライン上の商行為の撲滅、消費者の個人情報の公正な利用についてだ。

 電子商取引の単一市場化はEUにとって最大の関心事だが、統合が進んだEU内でも厳然としてオンライン市場では国境が存在すると指摘。10個の商品を国境を越えて購入しようとした試験では、6個が失敗したことを紹介。オンライン市場における国境撤廃への意欲を示した。

 不公正な商行為については、オンライン市場を消費者に浸透させるには、こうした行為を撲滅することが必要であると説明。信用できる市場であることを消費者に納得させるには、規制も必要であるとの指摘がなされた。ネット広告の信用性や他の商慣習の改善のため、ガイドラインを公表する予定であることも明らかにした。

 消費者の個人情報の適正な利用については、現在では、不当に個人情報を利用する例が後を絶たないことを指摘。オンライン市場の成長のためには、個人情報保護が不可欠であり、最優先課題であるとの認識が示された。消費者側は当然、目的外利用に関しては厳しい対応を求めたいところだが、企業側にとっては広告への適正利用はビジネス上不可欠であり、これらの調整をするには問題は単純ではないとの認識が示された。


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(Gana Hiyoshi)

2009/11/16 12:52